ロシアのラジオ局The Voice Of Russiaは6日、中国の国防予算の拡大は自然で、不可避だと伝えた。
第12期全国人民代表大会第1回会議が開幕してすぐ今後1年の国防予算に関するデータが発表された。2013年の中国の国防予算は前年比10.7%増の7201億6800万元(約1147億ドル)で、引き続き2桁成長となった。
ロシア戦略・技術分析センターのワシリィ・カシン氏は、「中国の国防予算の拡大速度から、その一部と昨年の消費者物価指数(CPI)との関連性がわかるが、それほど厳格に結びついているわけではない。インフレを考慮し、90年代中期以降、中国の国防予算は急拡大しているが、相対的に安定している。自然で、不可避とみるべきだ」と述べ、次のように指摘する。
まず、中国人民解放軍は残された技術の後れを克服しなければならない状況に直面している。それは80年代、或いはそれ以前に生産された相当数の武器システムだけでなく、中国軍の少数のヘリコプター、装甲輸送車、自走砲、近代通信・管理設備なども指す。
次に、中国経済と生活水準の向上により軍人の手当て引き上げも要求される。烈士の遺族や障害を負った軍人の補償金や退職金など退役軍人やその家族の社会保障も強化しなければならない。
最後に、アジアの情勢全体という大きな背景の下で中国の国防予算の拡大を見なければならない。インドは4月からの会計年度で国防予算を21%引き上げ、427億ドルに達する見通しだ。一方、米国は戦略的重心をアジア太平洋地域にシフトすると宣言している。日本やベトナムも積極的に装備を更新。中国の隣国が、中国の軍事力と意図の不透明さを理由に国防予算の拡大を唱えれば、中国にとってはその他の国や米国の意図も同じく不透明だといえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年3月7日