深い調整の最中にあり、比較的大きな不確定性を抱える世界経済と比べ、アジア経済の活力には目覚ましいものがある。国際通貨基金（IMF）によると、世界金融危機発生後の5年間で、世界経済の成長に対するアジアの寄与度は3分の2に達した。また、アジア新興国の2014年の成長率は世界最高の6.5％以上となる見込みだ。（人民日報「鐘声」国際論評）

アジア開発銀行によると、アジア諸国は昨年米日欧三大先進エコノミーを遙かに上回る6.1％の経済成長を遂げた。「アジア経済の発展は世界経済の成長にとって極めて重要だ」と、ノーベル経済学賞受賞者であるスタンフォード大学のマイケル・スペンス氏は非常に肯定的に評価する。米国の著名投資家、ロジャーズ氏が数年前に語った「21世紀はアジアの世紀」との言葉は、説得力を増す一方だ。

世界第2の経済大国、アジア最大の経済大国である中国がアジア地域の協力において決定的影響力を持つ役割を発揮していることは言うまでもない。中国はASEAN主導の東アジア協力プロセスの推進を真摯に主張し、地域のパートナーが難局を共に乗り越えられるよう責任ある姿勢で手助けし、道義優先、発展途上国のニーズへの重視と配慮を堅持し、自国の発展によって地域の共同発展にチャンスを創造している。

困難な道程において、世界は中国の貢献を見た。1997年にアジア通貨危機が吹き荒れると、アジア各国の通貨が次々に下落し、市場に暗雲が立ちこめた。中国も同様に大きな経済圧力に直面したが、人民元を切り下げない方針を堅持し、大国としての道義を果たし、アジア各国が金融危機の暗雲を脱する重要な支えとなった。2009年に米国のサブプライムローン問題が世界金融危機を引き起こすと、中国の積極的な対応行動が、ASEAN諸国の市場を力強く落ち着かせた。「両危機において、中国の力がなければASEAN諸国の今日の状況はなかった」。ASEAN事務局の李鍵雄氏のこの言葉は、ASEAN諸国の感じたものを代弁している。協力過程において、世界は中国のエネルギーを見た。2000年以来、中国と周辺国との貿易額は1000億ドル余りから1兆3000億ドルへと増加した。すでに中国は多くの周辺国にとって最大の貿易パートナー、最大の輸出市場、重要な投資国となっている。すでに中国と周辺国との貿易額は、中国と欧州、米国との貿易額の和を上回っている。「地域包括的経済連携協定」の推進、中日韓自由貿易協定交渉の始動、中国・ASEAN自由貿易圏のアップグレード版の構築、シルクロード経済ベルト、21世紀の海のシルクロード、中国・パキスタン経済回廊、バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊の建設、アジアインフラ投資銀行設立計画……中国の一連の構想はアジア協力に対する堅実で力強いコミットメントと保障であり、アジア経済の成長に尽きせぬ活力と自信を与えるものだ。

現在、西側先進国経済のトラブルの影響で、アジア経済の発展も少なからぬ試練に直面している。アジアの一部の国は経済成長が減速し、発展方式を外需依存から内需拡大へと転換しつつあり、経済構造の転換が避けられない試練となっている。だが長期的に見ると、40億余りの人口を擁するアジアは十分な労働力を持ち、後発組としての強みが明らかであり、発展の潜在力はまだまだ解き放たれていない。

方向と道筋さえ正しければ、アジアの将来は必ず明るいものとなる。平和でこそ、発展し続けることができる。協力してこそ、ウィンウィンの未来がある。アジアを利益共同体、運命共同体、責任共同体とし、協力して共に歩むことで力強い勢いを維持し、中国の知恵を域内各国と共有する必要がある。（編集NA）

「人民網日本語版」2014年4月25日