An-225ムリーヤ（ウクライナ語で「夢」の意味）は世界一重い航空機であり、最大離陸重量は640トンに達する。ソ連がこれほど巨大な航空機を製造したのは、スペースシャトル「ブラン」を輸送するためである。写真の「ムリーヤ」は世界に唯一のAn-225である。

同機は1988年にキエフ製作所で製造された。離陸重量と輸送能力の世界記録を打ち立て、1989年3月22日に156.3トンの貨物を載せた離陸に成功した。また、110の世界記録を持っていることも記録の1つである。

1機しかないこのAn-225の飛行時間は3740時間、総距離は187万キロメートルに達し、地球46周分に相当する。

また、驚くべきサイズで、長さは84メートル、高さは19メートルで6階建ての建物に相当する。

ムリーヤの隣りにボーイング747が停まっている。ボーイング機の中で最大の747-800型機の長さはAn-225より8メートル短く、翼幅は20メートル短い。エアバスA380は長さが11メートル、翼幅が9メートル短い。

An-225はあまりにも大きく、駐機場に停めるスペースが足りず補助滑走路に停められることもある。翼幅は88.4メートル、翼面積は905平方メートルで、An-225より翼幅が大きい航空機はヒューズH-4ハーキュリーズだけである。しかし、ヒューズH-4は水上飛行機であり、しかも一度しか飛行したことがない。

スペースシャトル「ブラン」は非常に大きな貨物であり、「ムリーヤ」の背中に載せるしかない。

2つの垂直尾翼を持つため、スペースシャトル搭載時に安定性を保つことができる。