中国外交部の王毅部長は現地時間21日、ブルネイ訪問を締めくくる記者会見を開き、「双軌思路(2本レールの構想)」が南中国海問題を解決する、最も現実的で実現性の高い手段であることを強調した。王部長の発言内容は下記の通り。
中国とブルネイはいずれも南中国海の沿岸国だ。南中国海の平和と安定は、両国の共通の利益に関わる。私は今回ブルネイ側と、南中国海情勢について深く意見交換し、一連のコンセンサスを形成した。双方は妨害をなくし、困難を乗り越え、「双軌思路」、つまり南沙諸島の関連係争は直接的な当事国の交渉と協議により適切に解決し、南中国海の平和と安定は中国とASEAN諸国が共に守るべきという構想の推進を、毅然たる態度で継続することで一致した。
「双軌思路」は国連憲章が提唱する、交渉と協議により係争を平和的に解決するという主旨に完全に合致し、中国とASEANが共同調印した拘束力を持たない「南中国海行動宣言(DOC)」第4項の規定にも完全に合致する。「双軌思路」は南中国海問題を適切に解決する、最も現実的で実現性の高い方法だ。
「双軌思路」に基づき、直接的な当事国は友好的な協議により、双方が許容可能な係争解決方法を模索できる。その前に、係争の棚上げ、共同開発、食い違いの効果的なコントロールを模索できる。中国とASEANは協力を通じDOCを全面的かつ効果的に実行し、「南中国海行動規範」の交渉を加速し、中国を含む南中国海各沿岸国の協力の新たな手段を模索できる。「双軌思路」に背けば、ASEAN全体の利益が一部の国の利益により妨害を受け、操作されることになる。南中国海の平和と安定は、域外国が機に乗じて介入することにより、損なわれる可能性がある。これは中国とASEAN諸国が願うことでは絶対にない。
「双軌思路」は、ブルネイが最も早く提唱した。中国はこれがすべての南中国海沿岸国の利益に合致すると考える。中国が「双軌思路」の大々的な提唱と実践を支持するのは、中国とASEANが食い違いをコントロールし、安定を維持し、南中国海を真の平和・友好・協力の海にする能力を完全に持つことを、国際社会に証明するためだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月22日