ドゥテルテ時代、中比関係は膠着状態を打破するか

ドゥテルテ時代、中比関係は膠着状態を打破するか。 6年間に渡るアキノ政権が終わり、フィリピンは新しいドゥテルテ時代を迎えた…

タグ: ドゥテルテ 中比関係

発信時間: 2016-07-01 14:30:06 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

6年間に渡るアキノ政権が終わり、フィリピンは新しいドゥテルテ時代を迎えた。

アキノ前大統領はフィリピンの年平均6%の高度経済成長を実現したが、この名門出身の大統領は、中国と対立する深い印象を残した。中国とフィリピンの島の主権をめぐる争いは、単なる口喧嘩ではなく、真っ向からの対立となった。アキノ氏の度胸は、米国のアジア太平洋リバランス戦略から得られた。米国もこの流れに乗り、西太平洋でフィリピンなどを通じ、中国に対して地政学的な圧力をかけた。そのため、南中国海の島の主権をめぐる係争が激化したことで、中国と東南アジアの隣国の穏やかな関係も打破された。

ドゥテルテ氏はアキノ氏と異なり、平民出身で、地方の首長の就任歴を持つ。大胆な発言と行動が典型的な特徴で、大統領選前はそれほど有力視されておらず、脇役と見なされていた。ところが、ドゥテルテ氏は勝利を収めた。フィリピン大統領になったドゥテルテ氏は、膠着状態に陥った中比関係を変えることができるだろうか。

この個性的な大統領は選挙中に、南中国海問題をめぐり中国に対して強硬な発言をしていた。しかし選挙後は、中国に対して理性的・実務的な立場を表明している。ドゥテルテ氏は、中国が初の外遊先になると述べた。しかもドゥテルテ氏は、米国の南中国海の巡航に参加せず、中国と共に南中国海を開発し、黄岩島を理由に中国と戦争しないという意向を示した。当然ながら、ドゥテルテ氏は南中国海の島嶼の主権を放棄することはないと述べた。さらに大統領就任を宣誓した際に南中国海問題に言及せず、内政と国民生活に重きを置いた。ドゥテルテ氏の政権運営の風格は、アキノ氏と大きく異なる印象だ。

中比関係はアキノ氏に長く苦しめられてきた。そのためドゥテルテ時代に両国関係の新たな局面が切り開かれ、少なくとも膠着状態を打破することが期待されている。中国は当選後、ドゥテルテ氏とスムーズに連絡を取っており、中国の輿論もドゥテルテ氏が中比関係を改善することに期待感を示している。しかも習近平国家主席は外交ルートを通じ、ドゥテルテ氏に祝電を送り、「中比両国は引っ越しできない隣人だ。隣人の友好は、両国関係の1000年以上に渡る歴史の伝承であり、貫かなければならない正確な方向だ」と述べた。ドゥテルテ大統領と共に努力し、中比関係を改善に向かわせ、健全で安定的な発展を実現する願いを強調した。

期待は期待で、現実は現実だ。当選後の発言と立場から、人々は異様とも言えるほど矛盾したドゥテルテ氏を目にしている。ドゥテルテ氏は米国が嫌いかもしれないが、フィリピンが反米の道を歩むことはない。ドゥテルテ氏は黄岩島と南中国海の争いで中国と戦争したくないかもしれないが、南中国海の争いは両国関係の最大の障害になっている。ドゥテルテ氏は米国の艦船による介入を望まないかもしれないが、米国はフィリピンで軍事基地を再稼働させている。さらに前任者が、対米・対中外交および南中国海の島をめぐる係争の制限を作っており、ドゥテルテ氏による画期的な進展が難しい状況となっている。

特に国際仲裁は、米国がフィリピンに仕掛けた罠であり、アキノ氏がドゥテルテ氏に仕掛けた罠でもある。これに西側社会のフィリピンへの支持が加わり、ドゥテルテ氏は仲裁結果に対して何ら選択肢を持たず、堂々と受け入れるしかない。中国は仲裁結果について、絶対に受け入れないという確固たる立場を明確に示している。仲裁結果が間もなく発表されるが、これはドゥテルテ氏が就任後、中比関係の厳しい試練に直面することを意味している。

中国はドゥテルテ氏の、今後の言行を見守る必要がある。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月1日

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