中国人民解放軍海軍司令員の呉勝利氏は18日に北京で、訪中したジョン・リチャードソン米海軍作戦部長ら一行と会談し、共に関心を寄せる海上安全問題、特に南中国海問題について深く意見交換した。呉氏は次のように述べた。

中国周辺の海上安全情勢は現在、複雑かつ敏感になっている。特に南中国海情勢はエスカレートを続けている。リチャードソン将軍がこの状況下で訪中したことは、中米双方の海上危機管理に対する高い関心を示している。双方が意思疎通を強化し、信頼を深め疑いを弱め、判断ミスを回避することを促す。

南中国海問題について、呉氏は次のように強調した。

我々は南中国海の主権と権益を絶対に犠牲にしない。これは中国の核心的利益であり、わが党の政権運営の基盤、国家の安全と安定、中華民族の根本的な利益に関わる。我々が領土主権で譲歩することに期待するべきではない。我々はいかなる軍事挑発をも絶対に恐れない。中国軍は国家主権、安全、発展の利益を守る強靭な力だ。中国海軍はすでに、すべての権利侵害と挑発に対応する準備を十分に整えている。我々が島礁の建設を中止することは絶対にない。南沙諸島は中国固有の領土であり、南沙島礁で必要な建設を行うことは完全に合理的・合法的だ。どのような国、あるいは人物がどのような圧力をかけようとも、中国は計画通りに島礁の建設を推進し、完了させる。我々が備えをせずして警戒を緩めることは絶対にない。防御施設の規模は、我々が受ける脅威の程度に完全にかかっている。武力誇示により我々に屈服を迫ろうとするやり方は、逆効果にしかならない。我々が南中国海問題の平和的解決の努力を諦めることは絶対にない。現在は多くの消極的要素が存在するが、我々は交渉と協議による係争の平和的解決、規則とメカニズムによる危機管理を貫いている。

南中国海の平和と安定の維持は、中米および中米海軍にとって重要であり、協力が唯一の正しい選択肢だ。双方の最前線の海・空の兵力が「海上偶発的遭遇規則」「中米海空遭遇安全行為準則」を着実に貫徹し、最前線の兵力の行為を管理し、戦略的判断ミス、緊迫した局面さらには偶発的な武力衝突の発生を全力で回避し、南中国海の平和と安定を共に維持することを願う。双方は戦略的相互信頼をさらに深め、大同につき小異を残すを堅持し、潜在力を絶えず掘り出し、協力分野を拡張し、ランク・レベルを引き上げ、中米新型大国関係の発展に向け新たな原動力を提供するべきだ。

リチャードソン氏は初めに、中国海軍のもてなしに謝意を表し、かつ呉氏と共に努力し、相互信頼をさらに促進し、友好関係を発展させることで、両国・両軍・両国海軍関係の継続的発展に貢献したいと表明した。