海外メディアは、中国とロシアが12日より、南中国海の海域で8日間の合同演習を実施すると報じた。AP通信は、両国軍の協力の強化を示していると報じた。
ドイツ通信社は「専門家は、中国が主権問題の存在する南中国海の海域で軍事的存在感を強め、自国の強硬な立場を示す可能性があると警告している」と報じた。
ドイチェ・ヴェレはAP通信の報道を引用し、中国とロシアの合同演習は近年頻繁になっており、今回の演習は2012年の開始から5回目だと伝えた。中国は演習が具体的な敵国を設けておらず、いかなる第三者にも向けられたものではないと表明しているが、米太平洋艦隊のスウィフト司令官は「他にも軍事演習ができる場所がある」と述べ、これは一連の活動の一環であると形容した。
ロシアメディアによると、ロシアは軍艦18隻、軍機21隻、ロシア海軍歩兵250人以上を今回の合同演習に派遣した。
ラジオ・フランス・アンテルナショナル(電子版)は12日、次のように伝えた。
南中国海情勢が緊張化するなか、中ロの今回の演習が注目されている。今回の演習は最大規模で、中国側は7月の時点で実施を宣言したが、第三国に向けられたものではないとした。中ロは2012年に初の艦隊演習を実施してから、海上合同演習を毎年1回開催している。
多くの国際メディアは、今回の演習に狙いがあると判断している。中国はハーグの国際仲裁裁判の裁決を受け入れておらず、仲裁への参与も拒否していた。
ロシアは南中国海問題で特定の立場を示していないが、中国が裁決を受け入れないことに何度も支持を表明してきた。プーチン大統領は先ほど、「ロシアはハーグの国際仲裁裁判の南中国海問題への裁決を認めない」と述べた。中国とロシアはいずれも国連安保理常任理事国で、特にシリア問題などの重大国際問題で一致した観点を持つ。
共同通信(電子版)は12日「中国とロシアの海軍は12日、大規模合同演習『海上連合−2016』を南中国海で始めた。『海上連合』は12年に始まった毎年恒例の演習だが、南中国海での実施は初めて。南中国海問題で中国に圧力をかける米国をけん制する狙いがあるとみられる。中国は海軍陸戦隊も参加させ、19日までの演習期間中、島の上陸・奪還訓練も行う予定だ」と伝えた。