多くの海外メディアが最近、中国海軍陸戦隊の兵力拡大の問題に注目している。公式情報がないことから、関連報道はほぼ憶測だ。世界で海軍陸戦隊を持つ国は数十カ国あるが、一部は「海軍陸戦隊」という名称を用いていない。それなのになぜ中国海軍陸戦隊の建設ばかりが、これほど「関心」を集めているのだろうか。
その原因はおそらく、米海兵隊が国際社会に深い印象を与えており、海軍陸戦隊が外向き型、進攻目的の力の代名詞になっているからだろう。中国は国防・軍隊改革の時期を迎えている。海外は中国海軍陸戦隊の規模、構造、装備の調整から、中国軍の未来の発展の動向を読み取ろうとしている。また中国軍は大規模で、現代化を急速に推進していることから、世界ではいわゆる「中国脅威論」が常にでっち上げられている。そのため中国の一挙手一投足は、容易に注目を集め、さらには誇張されやすい。
だが中国には1万8000キロ以上の海岸線があり、海上安全環境が複雑で、海軍陸戦隊を含む海軍を発展させるのは極めて正常だ。これは事実である。ましてや中国はさらに、特殊な状況に直面しているのだからなおさらだ。まず中国は現在も完全に統一されていない大国で、台湾問題が未解決だ。我々が武力使用を放棄すると約束したことはない。全人代は十数年前、反分裂法を可決した。国家統一が脅威にさらされれば、中国軍はすべての手段を講じて守ることになる。それならばそれにふさわしい能力と手段が必要だ。
次に、中国の海外における利益が近年拡大を続けている。海外進出する企業と投資が多く、毎年出国する中国人も延べ1億人を突破している。一国の経済・社会・文化などの各方面が、外部世界と緊密なつながりを構築すれば、自ずと数多くの危険と課題が生じる。これには安全問題も含まれる。2011年のリビア内戦勃発後、中国はリビアの邦人を撤退させ、2015年にはイエメンから中国人を撤退させたが、これがその例だ。軍隊は国の安全の利益を守る武装集団であり、海外平和維持活動、護衛航行、邦人撤退などの活動は軍人が行わなければならない。
中国は平和的発展の道を歩むと何度も表明しており、近年の実践もそれを証明している。一部の西側諸国・メディアは、ある種のパワーもしくは装備の発展を根拠とし、中国の発展方針を単純に憶測することはできない。(筆者:趙小卓軍事科学院中米防衛関係研究センター長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年4月1日