韓国のTHAAD配備、文在寅氏が「ノー」と言う理由とは？
韓国のTHAAD配備、文在寅氏が「ノー」と言う理由とは？。
タグ： THAAD,文在寅
韓国の大統領選に勝利した文在寅氏は、経済・外交という差し迫った要件の処理を控えている。そのいずれも中国・米国と関連しており、ミサイル防衛システム「THAAD」問題の解決が焦点となっている。客観的に言えば、文氏は韓国のTHAAD配備に「ノー」と言う、多くの理由と条件を持つ。
（一）THAADの韓国配備は、朴槿恵前政権による愚かな間違いだ。これは韓国の「軍事的に米国に依存し、経済的に中国に依存する」という有利なバランスを打ち砕き、2大隣国の不興を買った。中国とロシアは韓国のTHAAD導入に断固反対しており、報復措置を講じると宣言している。THAADが韓国に安全をもたらすことはなく、むしろ危険な状況に追いやる。
（二）中国との対立で、韓国は想定不可能な大損失を被っている。中国は韓国最大の貿易相手国であり、毎年の貿易額は2200億ドル弱にのぼり、韓国のGDPの20％を占めている。しかも韓国はほぼ毎年黒字で、利益を手にしている。中国側のTHAAD配備への報復措置により、韓国の損失は8兆5000億ウォンにのぼるが、中国側の損失は1兆1000億ウォンだ。報告書によると、「韓流禁止」による影響を真っ先に被ったのは観光業で、昨年下半期の訪韓観光客数は前年同期比40％減となった。今年のメーデー（5月1日）連休中に済州島を訪問した中国人客は、8割減となった。
中国政府は韓国への制裁措置を講じておらず、上述した影響は中国人の総意によるものだ。
（三）THAAD導入は韓国で大不評で、抗議活動が現在も続いている。THAAD反対には、強い民意の基礎が存在する。文氏はTHAAD反対の態度を示したが、これは大統領選に勝利できた重要な要素と言える。今や大統領の座に座り、THAAD反対の立場を貫く自信を深めているはずだ。反対すれば公約通りとなり、政権運営で点数を得るばかりで、失うことはない。
（四）THAAD配備は朴前政権の間違いであり、朴氏の弾劾によりお流れとなるべきだ。しかし朴氏に忠誠を誓う黄教安氏は大統領代行に就任すると、配備を加速した。米軍とグルになり、後ろめたい手段により大統領選前に配備を済ませることで、既成事実化させようとした。世論調査によると、韓国人の7割弱がこのような電撃配備に反対している。すでに議員がソウル中央地裁に対し、黄氏を職権濫用などの罪で訴えている。文政権は法的手続きに基づき、黄氏の責任を追及し、THAAD配備を阻止するべきだ。
（五）韓国のTHAAD配備は国家の安否に関わる一大事だが、朴前政権は国会の議論に提出しておらず、憲法に違反している。新政権と国会は法に基づき、朴氏と米国人の合意を破棄する権利を持つ。
（六）トランプ大統領は、THAAD配備で韓国に10億ドルを負担させると2度も発言している。黄氏がこれに応じず、双方が駆け引きを展開し、膠着状態に陥っている。文政権はこの流れに従い、協議をやり直すことで、これまでの合意を破棄することができる。
（七）トランプ大統領は朝鮮の核問題の解決で、韓国の協力を要請している。この状況下、「取引」を好むトランプ大統領にTHAAD配備の撤回を求めることは、想像されるほど難しくないかもしれない。
文氏は今年1月、「米国にノーと言うことを学ぶべきだ」という主旨の発言をし、大統領選では「国益優先」というスローガンを掲げた。大統領になった文氏は約束を実践し、THAAD配備反対から米国に「ノー」と言うことを学ぶべきだ。
「中国網日本語版（チャイナネット）」2017年5月10日
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