ベトナム、対米・対日外交で巧妙に計算

ベトナム、対米・対日外交で巧妙に計算。

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発信時間: 2017-06-09 13:05:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

ベトナムは最近、学校で活発な動きを見せている。グエン・スアン・フック首相は現地時間5月31日に訪米日程を終え、今月4日には休むことなく日本を訪れた。周知の通り、ベトナムの大国との外交におけるベトナム・米国、ベトナム・日本の関係には、共通点が多い。いずれも経済優先で、これに政治・人文関係が続く。防衛関係も近年、力強く発展している。ベトナムのこの2カ国に対する観点と期待には、どのような違いがあるのだろうか?フック首相の今回の訪米・訪日から、それを垣間見ることができる。

ベトナムと米国、不確定の中から確信を求める

フック首相は就任後初の訪米となった。今回の訪米を一言でまとめるならば「爆買い」だ。米国の政界・ビジネス界の関係者と次々と会談したほか、米国の経営者との会談に時間をかけ、代表団を率い米国のハイテク製品を購入した。

ベトナム首相が米国で財布の紐を緩めた原因とは何だろうか。これについては、両国関係の構造から見ていかなければならない。ベトナムは対米貿易で巨額の黒字を計上しており、毎年多くの衣料品、靴類、電子製品を輸出している。トランプ大統領は就任後「米国ファースト」政策を推進し、米国の雇用を奪う貿易濫用16カ国の一つにベトナムを指名し、貿易不均衡という現状の早期改善を願っている。クレディ・スイスは、米国が関税を引き上げれば、ベトナムのGDPが0.9%減少すると見積もっている。トランプ大統領の印象を変えるため、ベトナムは大金を費やすという実際の行動により、貿易バランスの乱れを改善する決意を示した。

ベトナムの米国への依存は、貿易のみに留まらない。トランプ大統領の就任前後、ベトナムメディアは「米国がアジア太平洋を見捨てるか」を大きく取り沙汰し、米国が孤立主義に回帰することを懸念した。ベトナムにとって、米国の「アジア太平洋回帰」戦略は、大きな戦略的利益をもたらす。しかしトランプ大統領の就任後の発言と外交活動により、ベトナムは焦りを覚えている。いわゆる「トランプの霧」の中で、米国の政策方針を把握する必要がある。フック首相の今回の訪米には、米国の外交政策の動向に探りを入れる狙いと、「爆買い」により米国から重視されるという狙いがあった。

ベトナムと日本、「蜜月期」をめぐる双方の計算

フック首相の訪米と比べると、訪日は「援助獲得」と要約することができる。1000億円の円借款を獲得したほか、両国政府は14件の協力協定に調印した。双方の企業はさらに、220億ドル規模の契約を交わした。近年の双方の高官訪問を見るだけでも、双方が親密に交流していることが分かる。フック首相は就任からわずか1年余りで、すでに2回も訪日している。日本の安倍首相が今年1月にベトナムを訪問してから間もなく、天皇皇后も訪問した。両国首脳は「二国間関係は過去最高の時期を迎えている」と何度も発言した。

他国と比べると、日本はベトナムにとってまさに「鉄の戦略パートナー」だ。両国関係は経済・貿易・人文・教育・医療などを網羅している。両国間の協力水準は中国とベトナムに及ばないが、いわゆる「海上係争」がなく、かつ双方とも中国けん制の需要を持つことから、親密ぶりを伺うことができる。しかしベトナムは米国よりも日本の方が、自国からの友好を必要としていることを熟知している。ベトナムは日本が東南アジアを見捨てることを心配する必要はなく、また日本の中国台頭への焦りがすぐに解消されることがなく、自国が戦略的な価値を持っていることを知り抜いている。そのためフック首相は訪日中に、大胆に援助を手にすることができた。とはいえベトナムも中国と対立の姿勢を強めたくはない。両党間の深い友情はさておき、民間には二国間経済・貿易関係、切っても切れない文化のつながりがある。利益だけを見ても、ベトナムが中国との緊密な関係を失えば、他国から見た地位が下がることになる。ベトナムは日本の中国けん制の心理を利用し、自国の利益を最大化しようとしている。

フック首相が短期間内に米国と日本を続けて訪問したが、これはベトナムの全面的な外交の延長線上にある。しかしその差からは、ベトナムの外交の巧みな計算を読み取ることができる。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月9日

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