米国が南中国海介入に意欲的 喜ぶ日豪印

米国が南中国海介入に意欲的 喜ぶ日豪印。トランプ政権発足以来、米国のアジア太平洋政策と南太平洋政策の空白と不確定性は、アジア太平洋諸国(特に同盟国とパートナー)の安全への懸念と焦りを深めた…

タグ:南中国海 太平洋 情勢 COC

発信時間:2017-08-07 16:31:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

フィリピンで開かれた第50回ASEAN外相会議は現地時間5日、南中国海行為準則(COC)枠組みを正式に承認した。同枠組みは、正式な行為準則の制定に向けた協議を推進するための、概要となる文書だ。この成果は長年に渡る南中国海の係争解決で得られた、初の重大な進展に変わると分析されている。

また米国のティラーソン国務長官も、就任後で初となる東南アジア歴訪(フィリピン、マレーシア、タイが中心)を終えた。トランプ政権発足後、一貫性のあるアジア政策を打ち出していないため、ティラーソン国務長官の今回の訪問には、米国が「この地域を忘れていない」ことをアピールする狙いがあったと見られる。

さらに重要なことは、米国が地域における存在感を強化するため、将来的に一部の手段を講じて南中国海を混乱させようとすることだ。

米国の南中国海での行動が頻繁化

トランプ政権発足以来、米国のアジア太平洋政策と南太平洋政策の空白と不確定性は、アジア太平洋諸国(特に同盟国とパートナー)の安全への懸念と焦りを深めた。今年6月上旬のアジア安全保障会議で、マティス国防長官は同盟国とパートナーを慰めようと「我々は長期的で確固不動の同盟国と共に努力し、地域安全の最大化を維持する。我々は平和を守る軍事的手段を確保する」と発言した。

米国メディアは先ほど、マティス国防長官が今年4月、ホワイトハウスに提出した年間計画書の内容を明らかにした。同計画は、米国が軍艦と軍機を南中国海に派遣し、中国の海洋権益と主張を妨害する今年1年間の具体的な内容を記した。トランプ大統領は、この計画を承認した。

米国の新たな南中国海における航行の自由作戦計画の実施により、南中国海情勢に全面的かつ深い悪影響が生じる。この新計画によると、米国の航行の自由作戦は決定権を下部組織に移譲し、決定の手続きを簡略化し、かつ基本的に軍主導となる。そのため米軍による同作戦が今後より頻繁化し、機動的になり、挑発の意味合いと政治性が強まると判断できる。

2つの影響


2つの影響

周知の通り、南中国海情勢は昨年下半期より、沈静化という望ましい流れを示している。中国とASEAN諸国のCOCをめぐる交渉に前進が見られ、5月中旬に「準則枠組み文書」を採択していた。規則を基礎とする危機管理メカニズムの構築に向け、実質的な一歩を踏み出した。

米国のこの新たな措置が、すでに安定化しつつある南中国海情勢を覆し、破壊的な影響を及ぼすことは間違いない。これは政治的相互信頼と海上協力を促進する地域諸国の努力にもとり、同時に中国とASEAN諸国が実施中の準則をめぐる交渉、及び今後中国が主導する南中国海地域の安全秩序の構築に大きな衝撃を及ぼす。

米軍の航行の自由作戦の南中国海情勢への影響は、主に地域内外の諸国と米国の同盟国・パートナーの、南中国海政策の調整及び海上行動の強化という2面に反映される。

米国の航行の自由作戦を歓迎し喜んでいるのは、主に日本、豪州、インド、ベトナムなどだ。日豪印は米軍の同作戦に直接的もしくは間接的に参与する。うち日本は直接的かつ全面的に参与することで、夢にまで見た南中国海における軍事的存在のメカニズム化と長期化を維持する可能性がある。

次に豪州とインドだ。「インド太平洋安全戦略」の重要な推進者、対中関係の大幅な悪化を起こさない手段による航行の自由作戦への参与は現在、両国の南中国海政策の方針、戦略的な考えとなっている。

それからベトナムだ。ベトナムは中比関係の改善後、米日が南中国海での妨害行為に抱き込もうとする国になっている。ベトナムは日本やインドのように公然と支持しないが、米国の南中国海における軍事的存在を楽観するばかりか、米軍に港湾基地の使用権を提供するなど二国間軍事協力により、米国の中国を念頭に置く航行の自由作戦を応援する可能性がある。

また米国の航行の自由作戦は国際社会と地域諸国に、米国が南中国海問題で一方に肩入れし、中国を敵とする包囲政策を続けることをアピールする。これが少数の当事国に南中国海で「一方的かつ危険な行動」を起こすことをそそのかし、南中国海の緊張情勢をさらにエスカレートさせることは間違いない。

この意義から論じると、南中国海の航行の自由作戦年間計画の発表は、トランプ政権が「同盟関係に基づく米国のアジア太平洋秩序の主導権の維持」を中心内容とする、前任者のアジア太平洋政策を引き継いでいることを反映した。これはトランプ政権の南中国海政策の形成を示す、象徴的な出来事でもある。中米の南中国海における新たな軍事対抗を主な特徴とする南中国海情勢が、引き続きエスカレートすることは必然的だ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月7日

 

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