対中貿易戦争、米国民の関心事を解消できず

対中貿易戦争、米国民の関心事を解消できず。

タグ:米国 貿易 

発信時間:2017-08-23 13:09:51 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国の貿易代表は先ほど、技術移転、知的財産権、革新分野をめぐり、中国に対して正式に貿易調査を行うと発表し、世界を騒然とさせた。専門家は「中国が食い扶持を奪っているという米国の批判は不公平だ。貿易戦争という脅迫は、所得格差や経済構造の乱れなどの国内問題を受け、外部に無理に原因を求めているものだ」と指摘した。中米貿易戦争を起こしても、これらの経済の難題を解消できないばかりか、貿易パートナーから反撃される可能性がある。米国と世界の経済回復が遅れ、最終的に「間違った決定」と記録されることになる。

 

 ユニラテラリズムは視野が狭い

 

 対外経済貿易大学国際経済貿易学部の崔凡教授は、本紙のインタビューに応じた際に「米国の対外貿易は経常収支で常に大きな赤字が存在するが、今年に入りさらに拡大している。中国がその大きな割合を占めるため、米国は中国から貿易バランスを整える突破口を見いだそうとした」と指摘した。

 

 「米国の長年に渡る赤字は、貿易パートナーや貿易政策だけが原因ではない。米国の金融政策、財政政策、特に世界バリューチェーンにおける位置と大きく関わっている。そのため米国の通商法301条に基づく調査という一方的な行為は、視野が狭いばかりか有権者の機嫌を取っているきらいがある」

 

 中国のせいにしても、問題は解消せず

 

 交通銀行の連平チーフエコノミストは「中米貿易摩擦がエスカレートすれば、ボーイングの中国事業に必然的に大きな影響が生じる。同社をめぐり生産経営活動を展開する多くの米国企業、特に中小企業が痛手をこうむり、米国の約半数の製造業に影響が及ぶ可能性がある」と予想した。

 

 崔氏は「米国の労働者のため中国から雇用を取り戻す、これは今回の調査の重要な口実だ。米国の労働者の失業率が高止まりするという問題について、米国内の学界では多くの研究がなされ、技術進歩により単純労働がロボットにより代替されたことが主因とされている。グローバル化の見地に立ったとしても、問題は中国にない。米国が一つの全体として、中米経済・貿易交流において間違いなく大きな利益を手にしている。問題はこれらの利益の大半が米国の投資家や経営者に持って行かれ、一般人に合理的に分配するメカニズムが形成されていないことだ。そのため国内の問題の焦点を中国に移し、さらに対中貿易戦争を展開しても、米国の一般人の関心事を解消することはできない」と指摘した。

 

 協力とウィンウィンこそが正しい道

 

 この30年以上に渡り、中米貿易額は200倍以上に成長した。昨年の貿易額は5500億ドルを突破した。昨年末現在、中米双方の投資額は累計で1700億ドルを上回った。また米中貿易全国委員会のデータによると、2015年の米国世帯の年平均収入は約5万6500ドルだったが、対中貿易により各世帯が毎年850ドル節約したことになる。オックスフォード研究院は、中国の低価格商品により、米国の消費物価水準が1−1.5%低下したと見積もっている。

 

 専門家は「中国の産業システムは整っており、国連産業分類におけるすべての工業分野を網羅している唯一の国だ。米国が対中貿易で貿易戦争に向かうならば、その損失は中国よりも小さいとは限らない。また世界のバリューチェーンが協力する時代において、1つの製品の原材料と組み立ては往々にして異なる国で賄われる。中米貿易戦争は、関連国の経済にも影響する。そのため貿易戦争は間違った決定にしかならない」と指摘した。

 

 崔氏は「米国が調査を発表したが、過去の例を見ると、双方はまだWTO枠組みや二国間対話など多くの意思疎通方法により、溝を埋めることができる。例えば一部の米国企業は、対中貿易に技術移転の強制という問題があるとしているが、実際にはこれはビジネスの範疇内であり、強制性を一方的に認めることはできない。中米双方は二国間投資協定(BIT)交渉を手がかりとし、食い違いを適切に解消し、より良く協力とウィンウィンを実現するべきだ」と提案した。


 「中国網日本語版(チャイナーネット)」 2017年8月23日

 


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