南中国海の駆け引き、ベトナムは米国の駒にならず

南中国海の駆け引き、ベトナムは米国の駒にならず。

タグ:ベトナム 南中国海

発信時間:2017-08-28 13:46:35 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 ベトナムとスペインの石油企業が協力し、南中国海・九段線内の万安灘沖で天然ガスの掘削作業を行っていたが、中国の抗議を受け7月に作業を停止した。米国と西側諸国の一部は、中国とベトナムが「正面衝突」しなかったことへの失望を隠さなかった。ワシントン・ポストが先ほどの記事で、ベトナムが「経済協力と共産党の団結精神を、国家の尊厳よりも優先した」と皮肉ったことがその典型的な例だ。

 

 ワシントン・ポストは「ベトナムの閉鎖的な政治体制により、(中越による)この外交の陰謀が秘密裏に行われている。多くの国民さらには専門家も状況をまったく把握できず、憶測するしかない。国を挙げて不穏な空気が漂っている」と論じた。

 

 ワシントン・ポストはさらに「これは米国の存在感が弱まり、中国に台頭の機会を与えたからだ。トランプ大統領の就任後、ASEAN10カ国は中国に歩み寄り続けている。ベトナムは中国の南中国海における拡張に向け、公然と強硬な立場を取った最後の国だった。しかしベトナムは今や、国際法により中国に圧力をかけると公言しなくなった」と不満を漏らした。

 

 ワシントン・ポストは、ベトナムと中国の対抗への期待感を露わにしている。多くの米国人と日本人、さらには一部の西洋人は、ベトナムが南中国海で「中国対抗の柱石」になることを願っている。ベトナムがそうすれば、米日の地政学的利益に合致するが、ベトナムが彼らに貢献する駒になることを意味する。彼らはいわゆる道義的な支持、ほんのわずかの援助で報いるだろう。

 

 幸いにもベトナムには自分の頭があり、南中国海で中国と係争を抱えているが、両国が食い違いを適切にコントロールする重要性を理解していた。両国は両党の意思疎通を強化し、海上係争のコントロール喪失、両国関係の全局面の損傷を避ける重要な意義を確認している。万安灘の問題が平和的に解決されたことは、中越関係の成熟ぶりをある程度反映している。

 

 最も重要なことは、中国が周辺諸国を脅迫しておらず、地域の覇権主義を掲げていないことだ。周辺諸国には、中国と対抗する真の理由がない。ドゥテルテ比大統領が中国との全面的な協力の再開に転じ、アキノ前大統領が中国対抗によって得た利益を大きく上回る、現実的な利益をもたらした。ベトナムも中国との協力強化による利害を何度も検討したことで、両国関係への理解を深め、より理性的な選択ができるようになった。

 

 ベトナムと中国は国境線で接しており、中国はベトナムにとって最大の貿易相手国だ。両国は共に共産党が指導する社会主義国であり、政治的には関係が緊密だ。少しだけでも理性が残されていれば、ベトナムが戦略的に中国を敵とし、南中国海方面において米国が中国に使用する安っぽいテコになろうとしないだろう。

 

 中越の海上係争は短期間内に解消できない。両国が領土係争を相互間のすべてを圧倒する問題にし、両国の成長を続ける膨大な貿易と大規模な文化交流を南中国海情勢に伴い起伏させるならば、両国は戦略的に失敗に終わる。海上問題を一時的に解決できなければ、両国の包括的戦略パートナーシップによりこれらの食い違いを超越するべきだ。これは近年、海上の摩擦とそれによる影響を受けた、両国の共通認識となっている。

 

 一部の米国人は「スマートパワー」によって、中越を長期的に敵同士にさせ、漁夫の利を得ようとしている。西側諸国がベトナム政権を好むはずがなく、嫌いな2つの共産党国を互いに消耗させることは、一部の西洋人にとって願ってもないことだ。中越の海上係争は確かに存在するが、双方の全面的な協力による利益のほうが確かだ。双方は忍耐力を示さなければならない。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年8月28日


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