29日付ワシントン・ポストは米政府当局者3人からの情報として、ホワイトハウスが米太平洋軍のハリス司令官を駐豪大使に異動させることを検討中と伝えた。ハリス氏は2015年5月より米太平洋軍司令官に就任している。任期は3年。ハリス氏が駐豪大使に就任すれば、太平洋軍司令官としての任期が短縮される。情報によると、ハリス氏は来年の年初の退任を希望している。報道によると、ハリス氏は米国のアジア太平洋地域における活動(南中国海における軍事行動の維持など)を強化することで、発展中の中国海軍に対応するよう主張し続けている。ハリス氏は中国が南中国海で「砂の長城」を築いていると批判したことがある。
米メディアのスクープについて、豪州のビショップ外相は直ちに歓迎する意向を示した。ビショップ外相は30日「まだ情報が確認されていないが、ハリス氏は非常に能力のある人物で、豪州を熟知している」と述べた。
豪メディアも直ちにハリス氏に注目した。多くのメディアはハリス氏を「対中タカ派」と呼んでいる。30日付豪日刊新聞『オーストラリアン』は「太平洋軍司令官として、ハリス氏は米国の対中国・朝鮮事業に深く介入した。ハリス氏は豪州と親しい関係を持ち、豪州側から信頼されている」と報じた。30日付豪ビジネス・金融紙『オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー』は「ハリス氏というクラスの対中タカ派を任命するのは、米国がライバル中国に自信を示すためだ」と分析した。
海軍軍事学術研究所研究員の張軍社氏は「豪州は米国のアジア太平洋における戦略の一端を担っている。米国の一部の関係者は、米国のアジア太平洋戦略に対する豪州の支持が近年弱まっており、好戦的なハリス氏を大使として派遣することで豪州を引き戻せると考えている。ハリス氏の任期はまだ半年以上あり、かつ第7艦隊の事故が相次いでいることから、米メディアがこの時期にハリス氏の新動向を伝えたことには次の可能性がある。ハリス氏が任期中に海軍兵力を高頻度で使用し事故を起こし続けたことに、米国政府と軍指導部が不満を抱いているということだ」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年8月31日