パリ協定に復帰?米国の立場に揺らぎも

パリ協定に復帰?米国の立場に揺らぎも。

タグ:パリ協定 米国 トランプ

発信時間:2017-09-19 13:37:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 ドナルド・トランプ米大統領の国連総会でのデビューを控え、パリ協定に関する米国の立場に揺らぎが生じている。まずメディアは米国の態度が「やや軟化」したと伝えたが、直ちにホワイトハウスの報道官に否定された。その一方で、レックス・ティラーソン国務長官はメディアに対して、適切な条件のもと、米国はパリ協定に留任する可能性があると表明した。

 

 米国は本当に気が変わり、パリ協定に復帰しようとしているのだろうか。トランプ大統領が国連総会で、驚きの宣言をすることはあるだろうか。中国社会科学院米国問題専門家の刁大明氏は「米国がパリ協定に留まる可能性は低い。トランプ大統領が本当に復帰を宣言したとしても、これは大きな利益を交換条件とするに違いない」と指摘した。

 

 【立場に揺らぎ?】

 

 刁氏は「メディアは最近、米国のパリ協定への立場に揺らぎが生じていると報じたが、本当に米国政府の立場に変化が生じたとは限らない。これは記事の引用先が異なるためだろう。ホワイトハウス内から信憑性の低い情報が伝わり、ホワイトハウス側が正式に否定するということはよくある」と述べた。

 

 メディアの報道は、トランプ政権内の対立する声を反映しているかのようだ。刁氏は「トランプ政権が異なる声を出すことには、2つの可能性がある。まずトランプ大統領の気候変動問題における立場が揺らぎ、ホワイトハウスの誰かが突如メディアに情報を伝えたこと。次にホワイトハウス内で確かに対立が生じていることだ。パリ協定復帰を推進するメンバーが事前に声を上げ、メディアの記事で既成事実化させることで、トランプ大統領と極端な保守派を離反させようとした可能性がある。極端な保守派からの攻撃に耐えられなければ、トランプ大統領は本当に立場を変えるかもしれない」と分析した。

 

 【共和党の立場】

 

 刁氏は「環太平洋経済連携協定(TPP)離脱、移民規制の推進などと異なり、パリ協定離脱はトランプ大統領本人の個性の現れではなく、共和党の主流の立場だ」と指摘した。

 

 「トランプ大統領は共和党所属で、共和党のバックにある米エネルギー産業の大きな利益に配慮しなければならない。実際にトランプ氏でなくても、共和党所属の大統領であればパリ協定離脱を検討するだろう」

 

 共和党は気候変動問題に消極的だ。2016年の大統領共和党予備選挙を見ても、候補者がパリ協定に否定的な態度を持っていたことが分かる。

 

 刁氏は「トランプ大統領が共和党の従来の路線から徹底的に脱線し、パリ協定に復帰する可能性は低い。トランプ大統領がパリ協定離脱を発表した当時、大きな物議を醸したが、ここからの復帰は圧力がさらに強く、さらに大きな物議を醸すことになるだろう」と話した。

 

 トランプ大統領は今週、米大統領として初めて国連総会に出席する。刁氏は「トランプ大統領が気候変動問題で驚きの発言をする可能性は低い。トランプ大統領が本当にパリ協定復帰を宣言したとしても、大きな利益を交換条件とするに違いない。形式的な復帰に過ぎず、具体的に実施する際には消極的になる可能性が極めて高い」と分析した。

 

 「共和党の需要と従来のエネルギー産業の利益に配慮すると、表面的に復帰するだけで、パリ協定の内容を厳格に履行することはないだろう」


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月19日


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