南中国海に向かう豪海軍、自制と中立が重要に

南中国海に向かう豪海軍、自制と中立が重要に。

タグ:南中国海 豪海軍

発信時間:2017-09-22 13:46:26 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 豪州メディアの報道によると、軍艦6隻と兵士1200人からなる豪海軍艦隊が、南中国海に向かっているが、係争中の海域にどれほど接近するかは不明だ。この艦隊は豪海軍の軍事演習を実行中で、日本、韓国、フィリピンなどを訪れる予定。これは豪州の過去30数年間で最大規模の軍事行動だ。

 

 豪海軍の兵士は1万人ほどだが、これほど大々的かつ3か月弱に渡る軍事演習と訪問を行う。艦隊の規模、活動範囲、準備期間、持続時間のいずれを見ても印象的だ。豪州は以前、南中国海にも注目していたが、それよりも周辺の安全を重視していた。自国の安全環境を守るため、難民や違法移民の取り締まりといった問題に力を注いでいた。周辺、さらにはより遠い地域で軍事力を使うとしても、主に米軍に従い小さな役割を演じ、姿勢を示すだけだった。しかし今回の軍事演習と訪問は完全に自主的な行動であり、豪州の歴史、特に冷戦以降を見ると異常事態と言える。

 

 豪州の戦略界では、中国の実力の強化が、地域の不確定要素になっているとされている。そこで周辺諸国が団結し、共に力を発揮することを願っている。米国の代わりにはなれないが、豪州は周辺諸国と団結し「小さなリーダー」の役割を演じようとしている。今年のアジア安全保障会議で、ターンブル首相もこの意向を示していた。ターンブル首相は「大魚が小魚を食べ、小魚がエビを食べる」という露骨な弱肉強食の法則により、現在のアジア太平洋の秩序を形容し、「小魚」や「エビ」の代わりに声を出す意向を露呈した。

 

 豪州は米国に対しても、一定の独立性を示そうとしている。米国が留まり地域秩序を守る中心的な国であり続けることを願っているが、米国を留めることができなければ自分が前に出るという別の準備もしている。豪州は最近、日本やインドとの関係を強化し、さらにASEAN事業で力を発揮しようとしている。他に手段がなくなれば米国を抜きにして、周辺諸国と団結し行動する意志を示している。

 

 上述した分析を見れば、豪州の今回の軍事演習がやや異常ではあるが、特に予想外とも言えないことが分かる。今回の軍事演習の情報を得た多くのメディアは、豪州が中国を念頭に置いていると直ちに判断した。しかし筆者は少なくとも現時点においては、このように判断を焦る必要はないと考えている。豪州は中国の成長を目にし警戒しているが、まだ中国に対抗する程度にはなっていない。豪州の現在の言行は、中国とのバランスを取り、その行動をけん制することを目的にしている。豪州は実際に、中国との軍事関係の発展を諦めておらず、さらには中米豪合同演習を検討するなど、中国と米国の仲介者になろうとしている。

 

 地域でさらに大きな力を発揮しようとする豪州の願いには特に不適切な点もないが、建設的な力を発揮できるかが重要だ。特に東中国海、南中国海など係争が存在する海域において、豪州は他国とおかしな真似をしないよう慎重な姿勢を維持するべきだ。豪州はこれまで、南中国海の領土問題について特定の立場を持たないと表明してきたが、このような冷静さを維持するべきだ。国益に重大な影響が及ぶのでなければ、豪州は同問題で中立的な姿勢を示し、ある国と共に別の国を「懲らしめる」ようなことをすべきではない。南中国海と東中国海にとって、豪州は域外国なのだ。(筆者:趙小卓軍事科学院研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月22日

 


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