南京大虐殺犠牲者国家追悼式が13日午前に南京で行われ、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が出席し、兪正声全国政協主席がスピーチを行った。新華網が伝えた。
スピーチの内容は以下の通り。
「今年で南京大虐殺から80周年を迎えた。今から80年前、日本の侵略者は南京大虐殺という凄惨な事件を起こし、30万人もの同胞を殺害した。無数の女性や子供の人権を蹂躙し、虐殺を行っただけでなく、南京も壊滅的な破壊を受けた。旧日本軍が行ったこのような非人道的な犯罪行為は人間の尊厳を侵害する許されざるものであり、人類の歴史に非常におぞましい事件として記録された」。
「我々は今日ここで厳かに南京大虐殺犠牲者国家追悼式を行い、南京大虐殺の犠牲者と日本の侵略者が殺害した全ての犠牲者、中国の抗日戦争勝利のために命を捧げた革命の烈士や民族の英雄、中国の人々と協力して日本の侵略者の抵抗に命を捧げた海外の兵士や海外の友人を心から偲ぶ。また、中国の人々は歴史を銘記し、烈士を偲び、平和を尊び、未来を切り拓くという確固たる態度を表明し、平和的な発展への道を歩むという崇高な願いを厳かに宣言する」。
「今年で80年もの月日が流れ、南京大虐殺の凄惨な歴史は国連教育科学文化機関(ユネスコ)によって世界記憶遺産に登録され、人類が永遠に忘れることのない記憶となった」。
「日本の侵略者が行った殺戮行為に対して、我々の同胞たちは互いに警戒し、助け合い、苦楽を共にして協力しただけでなく、多くの海外の友人たちが自らの危険を顧みず援助の手を差しのべ、様々な方法で無辜の民衆を保護し、日本の侵略者たちの残虐行為を記録した。ドイツのジョン・ラーベ、デンマークのベルンハルト・シンドバーグ、米国のジョン・マギーらがそうした人々だ。中国の人々は、彼らの何事をも恐れぬ精神と人道的な義挙を永遠に銘記するだろう」。
「中国の人々が14年もの長きにわたって苦難を味わった抗日戦争において、中国は3500万人の死傷者という重い代償を払った。中国の戦場は世界反ファシズム戦争の東洋における主戦場となり、世界反ファシズム戦争勝利に大きく寄与した」。
「過去の経験を忘れず、将来の戒めとしなければならない。南京大虐殺やマニラ大虐殺だけでなく、バターン死の行進や『死の鉄道』とされた泰緬鉄道についても、中国の人々や世界各国の人々が忘れることはない。正しく歴史を認識することこそが、より良い未来を切り拓くことにつながる。未来のためにも、我々は過去の歴史を記憶にとどめなければならない。また我々の子孫の世代のためにも先人の話を記憶しなければならない。そして過去の歴史の悲劇を二度と繰り返さないためにも、人類にとって持続的なまたは恒久の平和を築くためのたゆまぬ努力を続けなければならない」。
「戦争は一枚の鏡のように、我々によりはっきりと平和の尊さを認識させてくれる。日本の軍国主義がこのような戦争を引き起こし、中国の人々に深刻な災難をもたらし、日本の人々にも大きな傷を与えた。中日両国の国民は、この得難い平和をもっと尊ぶべきだ」。
「平和には国際社会が共に努力し、皆が誠実に歴史と向き合い、歴史の中から平和を維持する力を得る必要がある。また、平和のためには世界各国の人々が心を一つにして協力し、国際連合憲章の主旨や原則を核とした国際秩序や国際的なシステムを共に維持し、人類の平和と発展につながる崇高な事業を共に推進していくべきだ。また平和のために、中国は平和的な発展の道を常に歩み続け、その発展がどのようなレベルに達したとしても、決して覇権を求めたり、国の拡大を図ったり、自らが過去に経験した悲惨な経験をその他の民族に強いることは永遠にない」。
「中日両国は隣国であり、切り離すことのできない関係だ。中日の民間交流の歴史は長く、非常に深いつながりをもっている。中国は『親誠恵容』の理念と近隣国と友好的な関係を築き、近隣国をパートナーとするといった周辺外交の方針に基づき、日本を含む周辺国家との関係を深めていくことになるだろう」。
「今年は中日国交正常化45周年にあたり、来年は中日平和友好条約締結40周年を迎える。中日両国は両国の人々の根本的な利益を起点とし、平和と友好、協力という大きな流れをしっかりと捉え、歴史を鏡として未来に向けて、子々孫々までの友好関係を保ち続け、人類の平和のために共に寄与していくべきだろう」。
「現在、中国の人々は過去のいかなる時期と比べても、中華民族の偉大なる復興の実現に近づいており、より自信に満ち、そしてより大きな能力を手にしている。中国の人々は世界各国の人々と共に人類運命共同体の構築を推進し、常に世界平和を築き、全世界の発展に貢献し、国際秩序の維持していくことで、人類の美しい未来を共に創造することを願っている」。(編集YK)