中国の国防費、多いのか少ないのか?

中国の国防費、多いのか少ないのか?。国防費の状況は、人々が注目する重点的な内容の一つだ。世界は国防費の状況に基づき、中国の国防建設及び国家軍事戦略及び安全戦略の性質を判断する…

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発信時間:2019-07-27 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「新時代の中国国防」白書が24日に正式に発表された。中国政府の国防白書の発表は1998年以降で10回目であり、第18回党大会以降で総合型国防白書が発表されたのは今回が初。国際メディアからより注目されているのは、国防費を世界トップの国と比較している点だろう。


 国防費の状況は、人々が注目する重点的な内容の一つだ。世界は国防費の状況に基づき、中国の国防建設及び国家軍事戦略及び安全戦略の性質を判断する。中国の軍事費が毎年増加していることを口実に、中国の国防政策を悪意をもって曲解し攻撃する、良からぬ意図を持つ人も自ずと出ている。


 中国の国防費が多いのかについては、まず水平方向で比較すれば一目瞭然だ。白書は国防費が国内総生産(GDP)及び国家財政支出に占める割合、それから1人平均の国防費水準という3つの次元から、2012−17年の関連状況を比較した。それによると中国の国防費がGDPに占める割合は約1.3%で、米国の約3.5%、ロシアの約4.4%を大幅に下回り、インドの約2.5%にも及ばない。国防費が国家財政支出に占める割合を見ると、中国は平均で約5.3%と米露印を大幅に下回っている。1人平均の国防費を見ると、中国は2017年にインド以外のすべての大国を大幅に下回った。そのため同じく戦略的・政治的に独立している大国である中国の国防費が、基本的に適度な増加を維持していることは理にかなっている。


 次に実践を見ると、中国の国防費の方向には社会建設及び歴史的な補償の性質があり、かつ完全に国の防御性戦略の需要に合わせている。改革開放40年の前半、軍隊は長期的に支出を引き締めていた。これにより軍人の待遇と福利厚生が長期的に低水準となり、装備品が立ち遅れ、戦略訓練水準が低かった。他国、特に軍事大国と比べると、歴史的に大きな遅れを取っている。2012年以降に増加した国防費は、主に国の経済・社会の発展に合わせ、兵士の生活及び待遇、訓練生活の条件の改善に用いられている。また老朽化した装備品の更新、防御性武器装備品の現代化水準の安定的な向上、国防・軍隊改革の深化及び保障、実践化訓練の保障、部隊の多様な軍事任務の展開に用いられている。


 それから、より多くの国際的な責任と義務を担うことも、国が適度に国防費を増やす重要な理由だ。国際的な利益の拡大と国際的な地位の向上に伴い、新時代の中国軍は国際的な地位にふさわしい国際的な責任と義務をより積極的に担う。周知の通り、中国は国連平和維持活動(PKO)に参加し、アデン湾及びソマリア沖の護衛航行任務を遂行している。中国軍はPKOや国際人道支援などの活動への参加を増やし、力の及ぶ限りより多くの国際的な責任と義務を担い、より多くの公共安全財を提供している。


 さらに、中国の国防費の規模は最終的に、国の主権・安全・発展の利益を守る需要、現在及び未来の軍事的脅威に対応する需要によって決まる。「アジア太平洋リバランス」のアップグレード版である「インド太平洋戦略」を受け、米国はけん制目的の戦略展開を全面的に強化し、中国に対して全面的に安全の圧力をかけている。中でも際立っているのは戦略的圧力だ。米国は中国の外向き型発展の主な利益拡張方向に、攻撃的な核兵器、ミサイル防衛システム、「ハイテク戦争」勢力を配備している。軍事同盟の枠組み内で、同盟国は軍事費の負担拡大を求められていることから、米軍の「合同介入」「行動の自由」を保障する能力が高まっている。さらに米国の外交政策により地域の問題が激化し、衝突や戦争に転じる危険性が上がっている。これらを背景とし、軍事安全の考慮と需要があるため、中国の国防費が自ずと拡大する。しかしその性質は戦略的防御を重視する(筆者・楊育才 国防大学教授)。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月27日

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