新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により、国際原油価格は暴落し、石油企業は石油低価格の苦難に陥った。突然の度重なる試練の中、中国石油天然気集団(以下、中国石油)は中国企業「国家チーム」の一員として、感染症と戦うために中央企業としてどのような責任を担ったか。石油業界の「厳しい冬」をどのように乗り越えたか。
石油・ガスが防疫に助力 都市封鎖も勤務継続
感染症の発生後、「中国石油は石油製品を確保し、品切れとはなっていない」、「約2万カ所の昆侖好客ガソリンスタンドのコンビニエンスストアは通常通り営業し、値上げもしていない」、「西南油ガス田は忠武線ガス輸送を保障」、「西気東輸(西から東への天然ガス輸送)パイプラインは武漢へのガス供給主要幹線を保障」、昆侖エネルギーは末端ユーザーのガス使用を保障」といった情報は国民を感動させた。
感染症流行期間、中国石油の従業員は勤務し続けた。鐘淩虎さんと鄧映玲さんは中国石油のガソリンスタンドの従業員で、1月19日は2人が結婚した次の日だった。しかし、感染症流行期間のガス供給を保証するため、2人は17キロ離れた各自の勤務地に戻り、1カ月以上会わずに勤務し続け、実際の行動で防疫に大きく貢献した。
「国に不足しているものがあれば、提供する」
「今日は本当に特別な経験をした。ガソリンスタンドで給油し、マスクが買えるとは思っていなかった。感染症流行期間、このような物資は非常に不足している」。3月25日、中国石油北京販売支社の広外ガソリンスタンドで給油した石さんは、感動した様子でこのように話した。
感染症の流行後、医療資源が深刻に不足し、医療用マスクは一時品切れとなり、そのコア材料のメルトブロー不織布の不足はピークに達し、価格も高騰した。中国石油の担当者は、「集められる資源を全て集め、手配できる力を全て手配し、マスク、防護服、消毒剤の原料から石油製品、天然ガスの供給に至るまで、国に不足しているものがあれば、提供する」と述べた。
中国石油は科学研究課題をクリアし、2月29日に6本のマスク生産ラインを設置した。中国石油製油・化工支社の4月2日の発表によると、中国石油が投資・建設を計画する21本の全自動マスク生産ラインのうち20本がすでに設置され、マスクを生産した。4月1日には生産量が60万枚を超えて60万3100枚に達し、マスク生産量は累計1000万枚を突破し1045万枚に達した。マスク生産能力の拡大に尽力したほか、中国石油は生産計画を調整し、6社で生産する製品を変更し、フル稼働でポリプロピレンの医療用素材を生産し、ポリプロピレン繊維素材・メルトブロー素材・メルトブロー不織布の完全な製造工程を完成させた。
石油低価格への対応が必須
3月9日、国際原油価格は急落し、ここ30年で初となる30%以上の下落となった。
感染症流行と原油価格急落の影響で、石油・ガス業界は未曾有の試練に直面し、「厳しい冬」を迎えた。中国石油天然気集団の戴厚良会長は、感染症流行と原油価格のダブルの試練の中で柱となることを打ち出し、「革命的な措置でコスト削減に努め科学技術革新と管理革新で企業の難関突破を支える」と述べた。西部鑽探の張宝増社長は、「企業内外の情勢を総合分析したところ、試練に対応する最も根本的な方法はコスト削減戦略である。肝心なのはコストを削減し成果を上げ、企業の自信を高め、第一者から認められ、現実の競争力に変えることだ」と話した。
歴史的経験は、危難がチャンスでもあることを示している。原油価格の変動と下落は石油石化企業にとって利害が共存し、表裏が存在する。企業にとって、自身の問題を解決し、コスト削減と効果向上を継続することこそが発展の新たな起点となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月9日