香港市民が23日、国家安全立法を支持するため街頭で署名した。
第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議は「香港特別行政区が国家安全を守るための法律制度と執行メカニズムの確立・健全化に関する全人代の決定草案」を審議する。多くの香港市民は、特区が国家安全を守るための関連法の制定を支持し、法律の施行が香港の安全・繁栄の回復を促進すると信じていると表明した。
香港の元公務員の孫名峰さんは「この10カ月以上に渡り香港は私の知らない香港だった。昨年6月の条例改正に伴う動乱後、香港では多くの暴力事件が発生した。立法会内務委員会主席が半年に渡り選挙で選ばれていなかった。多くの若者が違法犯罪の道を歩んだ。これらにより多くの香港住民は、まったく知らない社会に入ったように感じた。香港復帰以降、国家安全立法が終わっていなかったことが、この局面に陥った重要な原因だ。香港が自ら立法により国家安全を守れないならば、国による介入が非常に必要だ。私はこれにとても喜んでいる」と述べた。
孫さんはまた、「法律の施行が香港の安全・繁栄の回復を促進すると信じている。安全が保障されることで、香港は初めてより多くの外資を導入し、さらに繁栄し活力をつける可能性を手にするからだ」と話した。
香港・油麻地付近で暮らす医師の馮権国さんは、「この日を長く待っていた。立法完了後、暴力分子に抑止力を発揮し、市民の安らかで楽しい暮らしを取り戻すはずだ。条例改正に伴う動乱後、油麻地の市民や私の多くの患者はよく、自分が危険の最中にいると感じている。外出する時も戦々恐々とし、不満があっても恐ろしくて口にできない」と述べた。
「世界に目を向けると、比較的整った国家安全を守るための法律が多くの国にある。国民には国家安全を守る義務がある。ところが中国の一つの特別行政区である香港の国家安全立法が遅れている。関連法が早急に香港で施行されることを願う」
香港のアパレル店員の黄さんは国家安全立法への支持を表明し、関連立法により香港が安定を取り戻すことを願っている。「店が現在の場所に移転してから間もなく、条例改正に伴う動乱が発生した。それから経営は悪化の一途をたどっている。以前ならば1日の売上は2万香港ドル以上だったが、現在は数千香港ドルのみだ。大家が最近、家賃引き下げの交渉に応じようとしているが、それがなければ経営者は倒産を選択していただろう。私も大勢の失業者の一人になっていたところだ」
香港の多くの民間団体が22日より、香港各区で国家安全立法を支持する署名活動を行っている。香港工会連合会は23日午前、シティガーデンホテル付近の公園に拠点を設置し、市民の署名を受け入れている。記者が現場を訪れたところ、通りすがりの市民が次々と足を止め、厳かな様子で署名簿に署名した。活動の主催者の一人である謝達栄さんは、2時間余りで300人以上の市民が自発的に署名したと述べた。
元幼稚園教諭の鐘珮蘭さんも署名した。「香港は中国の一部で、域外勢力に損なわれるわけにはいかないので、国家安全立法を支持する。法律が香港の繁栄・安定の回復を促進することを願う」
事務職の市民の劉さんは、「香港の暴力事件が長期化し、経済と国民生活が大きなダメージを受けた。さらに意見の異なる多くの罪なき市民が暴徒に襲われ怪我をした。国家安全立法は市民の保障を促し、彼らの言論の自由と人身の安全から暴力の脅威を遠ざける」と述べた。
香港市民の陳さんは「国家安全を守るための法律の制定を私たちはもちろん支持する。法律が規定・管理するのは破壊活動を行う人であり、法を犯さなければ立法を恐れる理由はない。隣人はみな平和で無事な生活を望んでおり、香港が以前の静けさを取り戻すことを願っている」と話した。