中核集団の蒸気発生器「華竜1号」のチーフデザイナーである張富源氏(66)は、中国の原発事業の有名な専門家だ。勤務経験が豊富で、技術問題を果敢に処理し、責任感が強いことから、同僚から「張大爺」と呼ばれている。
蒸気発生器は原発の重要メイン設備の一つだ。2007年まで、大型原発の蒸気発生器の設計技術及び知的財産権は米国やフランスなどの数社の設計企業に握られていた。国内の中・大型原発の蒸気発生器はいずれも外国企業が設計を行っていた。ところが価格が高く、技術移転条項も非常に厳しく、中国の原発産業の発展を妨げていた。
張氏は「中核技術を攻め落とし、重要技術を把握するためには、設計技術の難関突破を展開しなければならない。外国企業の技術の独占を打破し、完全に独自の知的財産権を手にするためには、技術面の革新に取り組まなければならない」と述べた。
張氏は昨年11月、定年を延長していたが65歳で退職した。ところが半生をかけ原子力事業に取り組んできた彼は、退職後も勤務を続けている。
「皆を率いて引き続き難関突破に取り組み、より優れた蒸気発生器を作る」
張氏が審査しサインした設計図に基づき作られた蒸気発生器はすでに76台にのぼる。うち60台は使用開始もしくは設置済みで、16台は製造中。