中国・WHO新型コロナ発生源研究共同専門家チームが会見

　中国・世界保健機関（WHO）新型コロナウイルス発生源研究共同専門家チームは9日、武漢市で記者会見を開き、共同で展開する新型コロナウイルスの世界範囲での発生源特定作業の中国における活動状況を報告した。

　2019年末、新型コロナウイルスが武漢市で流行した。中国は速やかに行動し自発的に感染情報を報告し、最も全面的かつ最も厳しい感染対策を講じ、顕著な成果を手にした。

　現在も世界で感染拡大が続いている。感染対策を指導し、将来的なパンデミックの発生を予防するため、中国は積極的にWHOによる新型コロナウイルス世界範囲での発生源特定活動を支持している。中国とWHOが昨年7月に定めた活動任務書（TOR）に基づき、WHOの国際専門家チームが先月14日に武漢に入り、中国側の専門家チームと共同専門家チームをつくった。さらに疫学、分子発生源特定、動物・環境という3チームに分かれ、世界範囲での発生源特定の中国における活動を共同展開した。

　共同専門家チームの外国側チーム長のピーター・ベンエンバレク氏は9日、記者会見で記者からの質問に回答した。

　共同専門家チームは共同で多くの新型コロナ関連データ及び資料を研究した。金銀潭病院、華南海鮮市場、中国科学院武漢ウイルス研究所を含む9つの場所を視察した。医療従事者、実験室人員、科学研究者、市場管理者及び店舗の経営者、コミュニティ職員、完治した患者、医療従事者の犠牲者の遺族、住民などと広く交流した。絶えず科学の共通認識を集め、主に次の共同研究成果を基本的に形成した。

　コウモリとセンザンコウから新型コロナウイルスのゲノム配列が高度に相似するコロナウイルスが見つかったが、新型コロナウイルスの直接の祖先となる程度ではなかった。ミンクや猫などの動物が新型コロナウイルスに感染しやすく、コウモリ、センザンコウ、イタチ科やネコ科の動物、及びその他の動物も潜在的な自然宿主の可能性がある。

　共同専門家チームのメンバーであるマリアン・クープマンス氏が9日、記者会見に出席した。

　華南海鮮市場の閉鎖後、環境の検査で広く新型コロナウイルスの汚染が確認された。うち水産物の店舗の汚染が特に顕著だった。華南海鮮市場の新型コロナウイルスは感染者、汚染されたコールドチェーン製品、動物製品などを通じ市場に入った可能性があるが、現段階では断定できない。同市場の動物製品の大規模検査では陽性反応が出ておらず、湖北省のコウモリ及び中国各地の多くの家畜・家禽・野生動物の検体採取・観測でも新型コロナウイルスが見つかっていない。感染発生前後に新型コロナウイルスが家禽・家畜・野生動物の間で循環した証拠は見つかっていない。

　共同専門家チームの中国側チーム長の梁万年氏（左）が9日、共同専門家チームの外国側チーム長のピーター・ベンエンバレク氏と握手した。

　武漢市で19年12月、新型コロナウイルスの一定規模の感染が発生し、感染者の多くが月の後半に集中していた。華南海鮮市場は新型コロナウイルス感染の流行地点であり、感染発生初期に疾病予防管理部門が注目する重点的な場になった。しかし早期感染者の捜索及び分析によると、華南海鮮市場で感染者が出た同じ時期に、武漢市の別の場所でも感染者が出ていた。

　共同専門家チームは新型コロナウイルスの自然宿主からの直接的な感染、及びコールドチェーン食品、中間宿主、実験室という4つの発生源の可能性について科学評価を行った（評価の結論は「極めて不可能」、「不可能」、「可能」、「比較的可能」、「非常に可能」の5レベルに分かれる）。中間宿主から人類への感染は「比較的可能」、直接的な感染もしくはコールドチェーン食品による人類への感染は「可能」、実験室から人類への感染は「極めて不可能」となった。

　共同専門家チームは今後の世界における発生源特定についても提案した。

 「中国網日本語版（チャイナネット）」2021年2月10日