政治>
japanese.china.org.cn |25. 03. 2021

H&Mが新疆の綿花をボイコット 中国人の怒りを買う

タグ: H&M 新疆 綿花 ボイコット

 「噂をでっち上げ新疆の綿花をボイコットしながら、中国で儲けたいと思うのは、妄想だ」

 

 スウェーデンのファッションブランドH&Mが24日に微博に投稿した声明は、中国のネットユーザーの怒りを買った。「H&Mグループの新疆デューディリジェンスに関する声明」という見出しのこの声明は、H&Mグループは民間社会組織の報告とメディアの報道に深く関心を示しているとし、新疆ウイグル自治区の少数民族の「強制労働」と「宗教差別」を非難した。声明は、H&Mは新疆にあるどのアパレル製造工場とも協力せず、同地区から商品と原材料も仕入れないとした。

 

 

 中国のネットユーザーの怒りについて、H&Mグループのスウェーデン本社は24日、「電話ではコメントできない。メールを確認してから回答する」と示した。また、ミニブログアカウント「H&M中国」は24日晩に声明を発表し、H&Mグループは公開・透明という原則のもとで我々のグローバルサプライチェーンを管理しており、いかなる政治的立場も代表しない」とした。


 『環球時報』の記者が確認したところによると、上述の声明は2020年10月に投稿されていた。H&Mは声明に以下のように記した。新疆は中国最大の綿花栽培区であり、これまで、我々の供給業者は同地区とスイスのBCI(ベターコットンイニシアチブ)の関係農場から綿花を仕入れてきた。同地区で信用できるデューディリジェンスを行うことが困難になったため、BCIは新疆でのBCI綿花許可証の発行を停止することを決めた。


 H&Mの声明から、H&MはBCIの判断および一部の民間報告とメディアの報道をもとに「新疆の綿花の使用停止」を決めたとわかる。『環球時報』が24日に資料を確認したところによると、BCIは全称The Better Cotton Initiativeで、2009年にスイスに設立された非政府組織である。BCIは2021年10月に上海事務所を設立した。2020年10月21日に英文の声明を発表したが、そのページにはアクセスできなくなっている。


 スクリーンショットを確認すると、この声明は「中国新疆ウイグル自治区に強制労働と人権侵害が存続し、農場レベルで強制労働のリスクが高まり続け、経営維持は困難になっている」と指摘。そのため、BCIは同地区での能力構築、データ観測、報告などすべての実地活動を直ちに停止することを決めたという。また声明は、2020年3月、BCIは新疆ウイグル自治区での認証と保証活動を停止し、同地区から新たに認証された「ベターコットン」はないとした。


 注目すべきは、ミニブログアカウント「スイスベターコットンイニシアチブ上海事務所」は今年3月1日に「新疆問題に関する重要説明」と題した文章を発表した点である。昨年10月に発表した英文の声明と全く異なり、中国語の「説明」は、BCI中国プロジェクトチームはBCIの審査原則に厳格に基づき、2021年から新疆のプロジェクト場所に対して長年の第二者審査と第三者検証を行っており、強制労働のようなケースは発見していないと明確に示した。異なる言語で発表された2つの言い分は、BCIのいい加減さを感じさせる。


 実は、ここ数年、新疆の綿花の使用停止を表明した外国企業はほかにもある。BCIメンバーのバーバリー、アディダス、ナイキ、ニューバランスなどもそうである。H&Mは昨年9月に中国の紡績大手の華孚公司との「非直接的業務往来」をやめるという声明を発表した。その理由は、同工場に新疆の少数民族に対する強制労働が存在するため。




 ファーストリテイリングは2020年8月17日、傘下ブランドのユニクロに新疆で生産する商品はないとする声明を発表した。


 日本の共同通信社の今年2月の報道によると、ユニクロや無印良品などの日本企業12社は、「中国新疆ウイグル自治区での強制労働が確認された中国企業」との取引を停止することを検討している。『環球時報』の記者は24日、この件についてユニクロ、無印良品、パナソニックに問い合わせたが、24日24時までに回答はなかった。記者が新疆の綿花を使用する商品の販売について確認したところによると、ユニクロ公式サイトは販売していないが、無印良品公式サイトは販売している。

 

 24日、「H&Mの新疆製品ボイコット」「H&Mの新疆綿花に言いがかり」などの話題はミニブログで話題になり、ネットユーザーから「これらの事実を捻じ曲げて中国で儲けたいと思うの会社は自分の力で頑張ってもらいたい」「新疆の綿花はその手には乗らない」などの書き込みがされた。その後、淘宝、京東、拼多多などのECサイトはH&Mの関連商品を撤去した。また、小米(シャオミ)、華為(ファーウェイ)、vivo、騰訊(テンセント)などのアプリショップはH&Mショップのアプリを削除した。H&Mとビジネス提携をしていたタレントの黄軒と宋茜は、「H&Mとすでに協力関係にない」と発表した。

 

2020年10月17日、新疆ウイグル自治区瑪納斯県楽土驿鎮文家荘村の綿畑で綿花を収穫する綿摘み機(ドローンで撮影)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月25日