中国の習近平国家主席は7日午後、第13期全国人民代表大会第4回会議の青海省代表団の審議に参加した際、「常に最も多くの人々の根本的利益を念頭に置き、確固として揺るがず人々の生活の幸福を増進し、質の高い発展を素晴らしい生活への人々のニーズと緊密に結び付け、生態系保護優先の堅持、質の高い発展の推進、質の高い生活の創造の有機的結合及び相乗効果を促進する必要がある」と強調した。
習近平国家主席が生態文明を強調したのはこれが初めてではない。『習近平 国政運営を語る』第3巻によると、習近平主席は2007年10月18日の中国共産党第19回全国代表大会と2018年5月18日の全国生態環境保護大会で行った演説で、人と自然は生命共同体であり、生態環境に代替品はなく、気づきにくいが失ってはじめてその大切さがわかり、生命と同じように生態環境に向き合う必要があると話した。
自然の破壊、損傷は、人類の衰退、滅亡につながり、自然との融和、共存なくして永劫なる人類の繁栄はない。長江、黄河の源流である青海省は美しい自然と天然資源に恵まれる一方、その過酷な生活条件、地震などの自然災害による貧苦に加え、石炭の違法採掘などによる深刻な自然破壊にも直面してきた。これに対し、近年の厳格な環境保護規制、石炭採掘場を自然保護公園へ変える大型環境修復プロジェクト、徹底した貧困撲滅対策の取り組みにより、自然環境と住民の生活が大幅に改善されている。では、自然との共存を永遠の軌道に乗せるために、何が必要だろうか。
それは、郷土の自然を愛する心を培い、何千年もの昔から自然と共に生きる中で継承されてきた精神的規範と伝統文化をさらに深化、発展させることによってはじめて可能となるのではないか。
その意味で、習近平国家主席のスピーチは、人類命運共同体の理念から生態系保護を最優先とする大原則を明示することによって、自然破壊に対して本源的な防衛線を構築するものといえる。今後、青海省をはじめ中国各地で様々な自然と融和した文明構築の大実験が粘り強く継続され、その模範的試みが世界で共感の輪を広げていくことを確信する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月9日