習近平国家主席は16日、北京からビデオ形式でフランス、ドイツとの3カ国首脳会議に出席し、「中国は排出削減に関する約束を必ず履行し、成果を出す。気候変動への対応についてフランス、ドイツと協力を強化したい」と示しました。その上で、「戦略的な観点から中国と欧州の関係発展の主な方向と基調を把握すべきだ」と強調しました。
習主席は、「中国は二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までにピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現すると宣言した。これは、中国が世界最大の発展途上国として、世界で最大幅のCO2排出削減を実施し、ピークアウトからカーボンニュートラルまでを世界史上最短期間で実現させることを意味する。気候変動への対応は全人類共通の事業である。地政学的な取引の手段や他国を攻める際の標的、貿易障壁を作るための理由になってはならない。中国は公平、共通ではあるが差異ある責任、各自の能力を尊重するという原則を堅持し、『国連気候変動枠組条約』と『パリ協定』の実行を推進して、そのための南南協力を積極的に展開する。先進国は力強く排出削減を推進する模範になってほしい」と述べました。
さらに、習主席は、「中国はハイレベルの対外開放を拡大し、フランスやドイツの企業を含む外資系企業のために公平、公正で差別のないビジネス環境を提供する。欧州側も同様の姿勢で中国企業と付き合い、中国側とともにグリーン、デジタル分野のパートナー関係と新型コロナ対策などをめぐる協力を強化してほしい」としました。
フランスのマクロン大統領は、「フランスと中国、欧州と中国の経済関係をさらに発展させ、中国側とともにアフリカのグリーン発展を支援し、発展途上国の債務の削減や返済猶予に努める。新型コロナワクチンは大国間の競争の道具になってはならない。フランスはワクチンの公平な配分について中国側と協力を強化し、また、イラン核問題を含む地域問題に関する協調を強めたい」と述べました。
ドイツのメルケル首相は、「欧州側は中国との互恵協力を深め、デジタル経済、サイバーセキュリティなどについてコミュニケーションを強化し、各国企業を同等に扱い、貿易障壁を回避する。『EU中国投資協定』の早期批准と発効に向け、中国とともに努力していきたい」と示しました。
「中国国際放送局日本語版」2021年4月17日