河南省を視察中の習近平中国共産党中央委員会総書記は13日、中国南部の水を北部に送る「南水北調」プロジェクト中央送水ルートの中核的な水源地である淅川県を訪れ、取水施設やダム、移民村を視察し、工事の建設と管理と運営、水源地の生態保護、移民生活に対する手配などを実地調査しました。
習総書記はまず淅川県内の陶岔村で建設された取水施設に足を運びました。同施設は丹江口ダムと送水主水路を接続するもので、中央送水ルートプロジェクトにおいて北部地区に送水するための「総バルブ」です。南部地区の水はここから北部へと向い、長江と淮河を越えて、黄河を通り抜けます。そして河南省、河北省、北京市、天津市が抱える深刻な水不足問題を大いに緩和しているのです。世界最大規模の送水工事とされている「南水北調」プロジェクトは、2021年4月の初めまでに、累計418.55億立方メートルを送水しており、1億2000万人が恩恵を受けています。
淅川県は中国全国でも水利事業のために最も多くの移民が発生したとされています。同県では1950年代に、丹江口ダム建設のために、住民20万人以上が移住しました。さらに、中央送水ルート工事の着工前後に、16万6000人が他の地に越しました。
淅川県内の鄒荘村は水利移民のために新たに建設された村です。習総書記は13日、同村を訪れ、移民への手配、生産や生活状況を理解し、工事の建設者や、水利移民に対して、国のために貢献したと、感謝の意を表しました。
「中国国際放送局日本語版」2021年5月15日