首都博物館で行われた中国共産党創立100周年特別展
英ケンブリッジ大学のマーティン・ジェイクス(Martin Jacques)上級研究員は中国共産党創立百年にちなんで、中国のニュースサイト「中国網」に寄稿しました。
ジェイクス氏はその中で、「中国共産党はこれまでの100年で最も成功した政党だ」とし、「中国共産党は中国の特色に富んでおり、その非凡な業績とは、百年の歴史の中で、改革を起こす大きな原動力を中国の社会や文化と深く結びつける方法を見出したことである。2000年余りの中央集権制度を経て、1949年に新中国成立後の中国において、中国共産党の重要性は比類のないものだ」と示しました。
ジェイクス氏は、「中国共産党を知るということにおいて、西側諸国は大きな失敗をした。2016年以降、共通点がまったくないものの、中国共産党のことがソ連共産党と同一視され、西側諸国が中国共産党に対する無理解ぶりが新たなピークに達した」と指摘しました。
さらに、「従来のマルクス主義で中国共産党を理解することはできない。1949年よりも以前から、中国共産党が掲げるマルクス主義はすでにローカル化されていた。儒教思想に深く根付いていることを考えれば、中国共産党はマルクス主義と儒教思想が融合し、中華文明により形作られた政党だと言っても過言ではない」と分析しています。
ジェイクス氏はさらに比較の視点から、「西側諸国は、一党制が長続きしないものと信じているが、これは中国共産党の歴史とは実態が合わない。1970年代、鄧小平氏は断固として対内改革と対外開放を遂行させ、社会主義市場経済への模索に乗り出し、中国を世界経済の一部に組み入れてきた。このような発展の道に関する根本的な変革は、社会に深く根を下ろし、強い自信に満ちた政党でしかできないものである。現実を見据えて正しく行動、プロフェッショナリズム、実験主義、科学的なメソッド、これらが中国のガバナンスのシンボルになっている」と指摘しました。
そのうえで、「西側諸国は国のガバナンスへの着目点を選挙の民主化に置かれており、ガバナンス能力がその次に位置付けられている。これに対して、中国は終始、国のガバナンス能力を首位に据えている。ガバナンスにおけるその非凡な能力は、40年来の経済成長と新型コロナウイルス感染症の抑え込みというわずか二つの事例からも説明はできる」としています。
ジェイクス氏はまた、「中国は自身の歴史、文化とそのスケールの大きさから、ユニーク性がある。中国は自国が他国のモデルになると思ったことはなく、他国が中国のような国になってほしいと強要したことも一度もなかった。米・英・旧ソ連とは異なり、中国共産党は自身の政治制度は他国の手本になると考えたことはなかった」と指摘しています。
「中国国際放送局日本語版」2021年6月6日