香港市民の蒋金財さん(70)は現在、ようやく安心して眠れるようになった。これは条例改正に伴う混乱の期間中には想像もできないことだった。
「コミュニティの施設が破壊され、信号機が壊され、安心して外出できなかった」蒋さんは香港地区国家安全維持法(香港地区国安法)の施行前の生活について、「毎日不安で落ち着かなかった」と述べた。
剣が鞘から払われ、香港に太平をもたらす。この香港を混乱から統治に変えた重要な法律の施行から1年に渡り、香港市民は正常な生活を取り戻した。国家安全を損ねる行為と活動が効果的に防止・阻止・懲罰され、国家安全の理念が日増しに人々の心に浸透している。一国二制度の香港における実践もより穏健になり、余裕が出て来た。
安定した香港が帰ってきた
「いつも恐れがあった」香港市民の胡志禧さんは、香港地区国安法の施行前の1年以上に渡る期間を振り返りながら、「あの頃は街で黒衣にマスク姿の人に出逢えば、必ず下を向き口を閉ざし、目さえ合わせられなかった。政治的な主張が異なることでリンチされるのが怖かったからだ」と語った。
2019年に条例改正に伴う混乱が始まった後、国家安全面の備えがほぼ空白であった香港に安寧が訪れることはなかった。違法分子が猖狂跋扈した結果、圧倒的多数の市民の合法的な権利が大きく損なわれ、法治の社会の秩序が徹底的に蹂躙された。
胡さんは慎重になり、できるだけ「愛国愛港」とみなされる服を着ないようになった。「これは私が国を愛さないというわけではなく、政治的な主張が異なるため暴力を振るわれることを家族が心配したからだ」
胡さんは現在、彼が最も好む「中国」とプリントされたTシャツを正々堂々と着られるようになった。
香港特区政府政務司の李家超司長は先ほど、インタビューで「『黒暴』『港独』及び外部勢力が公然と香港を乱すといった違法活動がすでに大幅に減少している。市民は政治的な主張が異なることによる襲撃、交通が違法活動によって麻痺することを恐れる必要がなくなった。香港地区国安法は香港の混乱を阻止し、安心して暮らしと仕事に励める自信を持たせた」と指摘した。
香港の警察当局の統計によると、2019年の犯罪件数は前年比9.2%増、20年は6.8%増だったが、今年第1四半期は前年同期比で約10%減だった。これは香港地区国安法の違法分子に対する断固たる攻撃によるものだ。
統計によると、香港特区警務処国安処は香港地区国安法の発効後、110人以上を逮捕している。うち60人以上が10数件の犯罪に関わったとして起訴されている。
安定した社会環境はビジネス環境の改善をもたらした。香港ではこの1年に渡り、一部が大げさに強調していたような大規模な資金流出は生じていない。銀行システムの預金残高はむしろ過去4年で最高額に達した。一部の海外メディアも、香港地区国安法により香港市場と投資環境がより安定したと認めている。
「タクシードライバーは皆、国安法を歓迎している」香港市民の何志強さんは以前「黒暴」に苦しめられていた。「行けない場所があり、乗客を乗せられなかった」
何さんの収入は当時、普段より5−6割減少した。現在は感染症の影響があるが、毎日の売上は7−8割まで回復している。
何さんは「少なくとも道を走り、仕事ができるようになった」と話した。
国家安全を守ることは全員の責任
「3月から現在まで合計で14回行った」香港将軍澳香島中学校の鄧飛校長はほぼ毎週、国家安全教育を行うため各校に招待されている。
鄧氏は、国家安全教育の香港における切実さと必要性を強調した。「これは単なる『黒暴』への反応ではなく、それよりも正規の授業により香港の青少年・学生に国家安全の重要性を全面的に理解させることを狙いとしている」
香港社会はこの1年で、「国家安全を損ねれば、香港の繁栄と発展を破壊し、市民の利益と福祉を損ねる」という共通認識を形成し始めている。国家安全の鉄壁が構築されつつある。
全人代常務委員会委員の譚耀宗氏は、以前ならば国家安全を守ると言っても多くの市民は自分と無関係と感じていたが、香港地区国安法の施行後は様子が変わったことに気づいている。「法律と要求ができてから、人々が国家安全を守るのは必然的なことと感じているからだ」
香港教育工作者連会会長の黄均瑜氏は、「香港地区国安法の施行前、学校には『港独』が校内に入ることを阻止する法的責任がなかった。多くの学校は穏便に済ませようとした。今や香港地区国安法は、学校にはこれらの行為を阻止する責任があり、他人事では済まされないことを明確にした。香港地区国安法は法的な支えを提供した。学校の管理者は国家安全に違反する行為を処理する底力を手にした」と述べた。
香港地区国安法を積極的に支持し、国家安全を守るため貢献しようとする市民も増えている。香港の警察当局が市民向けに開設した「国安処通報ホットライン」を例とすると、昨年11月から現在まで10万件以上の情報が集まっている。李氏は、「ホットラインの運行は順調だ。リスク判断及び事件の調査に役立つ情報も多い」と述べた。
中央政府駐香港連絡弁公室の主任である駱恵寧氏は、「国家安全及び市民の安寧で我慢の限界を突破しようとすれば、中央も市民も許さない」と強調した。
「剣と盾」で一国二制度を共に守る
香港は今年4月15日、香港地区国安法施行後で初の全民国家安全教育日を迎えた。
多くの香港市民が街頭に出て、香港文化センターの露天市場や沙田大会堂広場などを訪れ、関連イベントに参加した。「国家安全、我が家を守れ」は彼らに共通する心の声だ。
香港紫荆研究院が今年6月に発表した最新の調査結果によると、香港市民の回答者の7割以上が香港地区国安法の施行と奏功に満足している。多くの市民が施行後の社会の好転において、この法律がもたらしたメリットを実感している。
譚氏は「これを踏まえた上で、香港の長期繁栄と安定をいかに保つかは、すべての香港人が今後考えるべき議題、努力の方向だ」と述べた。
香港特区行政長官の林鄭月娥氏は、「香港地区国安法は昨年6月30日の施行後、社会の安定を効果的に取り戻した」と述べた。
今年正式に発効した「2021年選挙制度整備(総合改正)条例」は、香港の政治体制が「愛国者による香港統治」の原則を守れるようにした。これはもう一つのマイルストーンだ。
林鄭月娥氏は、この2つの重要な措置は中央政府による一国二制度の確固不動の貫徹の方針を十分に示しており、香港の長期繁栄・安定の保証にとっても極めて重要と判断した。
特区選挙制度の整備は、香港地区国安法という「剣」に続く「盾」になり、共に一国二制度を守る。
香港中華総商会会長の袁武氏は、「昨年の香港地区国安法の施行、今年の特区選挙制度の整備の両者は、憲政及び法律のレベルで一国二制度の方針の正確な貫徹、愛国者による香港統治の全面的な実行に向け健全な制度保障を提供し、香港の長期安定に向け重要な礎を築いた」と見ている。
譚氏は分かりやすく次のように例えた。香港社会が病気から健康を取り戻すまで、2本の注射が打たれた。1本目は香港地区国安法で、症状を抑えた。もう1本は選挙制度の整備で、基礎を固めた。
駱氏は「香港地区国安法の施行の掘り下げと特区選挙制度の整備、国の第14次五カ年計画の実施に伴い、香港はより良く国家発展の大局に溶け込む。特区はかつてないほど安全で安定的な発展環境を手にする。香港の未来はきっと明るい」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月5日