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japanese.china.org.cn |25. 08. 2021

換気システムに6億ドルを費やす? 米国による武漢ウイルス研究所のデマを否定

タグ: 換気システム 武漢ウイルス研究所 デマ

 新華社記者は17日、「ウォール・ストリート・ジャーナル」の評論の重要な数字を目にし、直ちにこれを疑問視した。「武漢ウイルス研究所が6億ドル超を費やし新しい換気システムを作るよう求めたことがある」というのだ。


 

 

 6億ドル(人民元換算で約39億3000万元)もするとは、どんな換気システムなのだろうか。

 

 「ワシントン・ポスト」も月の初めに、武漢ウイルス研究所に関する評論を掲載していた。それを調べたところ、こんな数字があった。「武漢ウイルス研究所は2019年9月に、競争入札により6億600万ドルでその空調システムを改造した」


 

 米2大紙はこう記しており、うち「ウォール・ストリート・ジャーナル」の評論の筆頭著者は米疾病対策センター(CDC)元所長のロバート・レッドフィールド氏だった。この数字はどこから来たのだろうか。

 

 米下院外交委員会の共和党トップ、マイケル・マコール氏は今月1日、「COVID-19の起源:武漢ウイルス研究所に関する調査」を発表していた。

 

 それによると、武漢ウイルス研究所は2019年9月16日に、セントラル空調の改造に用いる6億638万2986.11ドルの予算を掲げたとし、「謹厳に」資料のソースを示した(脚注42)。

 

 武漢ウイルス研究所が本当に約39億3000万元を費やすセントラル空調の改造を求めたのだろうか。報告書の脚注とネット上の検索により、新華社記者は当時の入札文書を発見した。


 

 「予算額は392.687694万元(人民元)」という字が目に入った。

 

 6億600万ドルは39億3000万元で、392万6876.94元のほぼ1000倍だ。

 

 「ワシントン・ポスト」は記事の中でさらに、武漢ウイルス研究所のあるエリアが130万ドルの予算で警備サービスを購入したことに触れた。

 

 下院外交委員会少数党(共和党)の幕僚報告書には128万ドルと書かれており、同じく「謹厳に」数字の出処を記していた。

 

 実際には「予算額は83万元」だった。128万ドルはおよそ830万元で、83万元の10倍だ。

 

 2つの間違いを続けざまに発見し、新華社記者は「ワシントン・ポスト」と「ウォール・ストリート・ジャーナル」が引用した米議会報告書の表にある「予算額」をまったく信じられなくなった。

 

 一つずつ照合したところ、7つの数字のうち5つに間違いがあった(上述した2つの他に3つ)。米議会報告書はこのプロジェクトの予算を40万ドル超(およそ260万元)としていた。

 

 実際のプロジェクトの予算は26万元で、10倍多くされていた。

 

 米議会報告書はこのプロジェクトの予算を152万ドル超(およぼ1002万元)としていた。

 

 実際のプロジェクトの予算は100万2000元で、10倍多くされていた。

 

 米議会報告書はこのプロジェクトの予算を1億3200万ドル(8億5700万元)としていた。

 

 実際のプロジェクトの入札金額は約857万元で、100倍多くされていた。

 

 そのため報告書のこの「謹厳」かつ「オリジナル」な発見の実情はこうだった。


 

 下院外交委員会少数党幕僚報告書は、武漢ウイルス研究所が「これほど重大な修復は異常に見える」とした。言い換えるならば、これらは武漢ウイルス研究所の「不審点」で、新型コロナウイルスと関連する証拠の一つかもしれないというわけだ。しかしこの「証拠」はこれほど低レベルな算数の間違いだった。

 

 西側との交流の慣例に基づき、新華社記者は17日に上述した議員の報道補佐役、2紙の編集者及び関連記事の著者にEメールを送り、間違いを指摘し訂正を求めた。2日待ち回答がなかったため、19日に英文の記事を発表し上述した間違いを指摘した。


 

 「ウォール・ストリート・ジャーナル」は20日、上述した記事のページを訂正し、間違いは議会の報告書にあったと指摘した。「武漢ウイルス研究所が2019年に換気システム購入の入札を行った際の予算は約60万ドルだった。この数字はこれまでのバージョン内で間違って記されていた。(本文の)筆者は下院外交委員会の報告書に基づいたが、この報告書は明らかな翻訳ミスのある中国の文書を引用した」

 

 「ワシントン・ポスト」も24日に上述した記事のページを訂正し、間違いは議会報告書にあったと指摘した。「本文が引用した議会報告書は、武漢ウイルス研究所が2019年9月に発表した入札金額を間違って記していた。空調及び警備サービスの調達金額はすでに更新されている」

 

 上述した10-1000倍の差のある間違いはどのようにして生じたのだろうか。一部のツイッターユーザーが熱心に議論した。

 

 アカウント名「Darin Friedrichs」は連続で20数回投稿し、この間違い及び新華社記者による英文の記事を分析した。その分析によると、米議会報告書の筆者は「Google翻訳」を使い中国語を翻訳し、照合せずそのまま引用したという。「Google翻訳」は原文の「392.687694万元」の「万」を削除し、それから小数点を「無視」し、最終的な数字が1000倍異なる結果になったというのだ。

 


 「Darin Friedrichs」は「これはつまり、実験室流出説に関する議会報告書、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルのいずれも、武漢ウイルス研究所が換気に6億ドル費やしたと間違って記したが、実際には60万ドルしか使わなかったことを意味する。彼らが中国語を理解できないからか、Google翻訳を慎重に使えないからだ」と投稿した。


  「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月25日