習近平国家主席は25日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行いました。
習主席は、「中露は今年に入ってから、『中露善隣友好協力条約』締結20周年を祝うことを新たな出発点として、両国の戦略的な協力や全面的かつ実務的な協力を推進して、一連の新しい成果を収めた。両国それぞれの発展を促進するために重要な支持を提供しただけではなく、国際社会が団結して共に困難を克服するためにも核心的な役割を果たしてきた。中国はワクチンの研究開発や生産でロシアと協力を深め、ワクチンの世界的なサプライチェーンの安全と安定を保障し、人類衛生健康共同体の構築に中露の力を貢献させていきたい」との考えを示しました。
習主席はまた、「中露双方は今年、上海協力機構(SCO)創設20周年であることを契機に、メンバー国と共に団結や協力を強化し、互いの支持を拡大し、地域や国家の安全と発展の利益を維持していくべきだ」と強調しました。
両首脳はアフガニスタン情勢についても、深く意見を交換しました。
習主席は、「中国はアフガニスタンの主権や独立、領土保全を尊重し、内政に干渉しない政策を実行する。中国はロシアを含めての国際社会の各方面との意思疎通や協調を強化し、アフガン各派が協議を通じて開放的で包容ある政権を樹立し、温和かつ穏健な対内・対外政策を実施し、各種類のテロ組織と徹底的に関係を断ち、世界の各国、特に周辺諸国と友好的に付き合うよう励ましていく」と表明しました。
一方のプーチン大統領は、中露関係の発展に満足の意を示した上で、「ロシアは、『一つの中国』政策を断固として実行し、台湾や香港、新疆、南海問題などで、中国が自らの核心的な利益を守るという正当な立場を断固として支持する。いかなる外部勢力であれ中国への内政干渉には断固として反対し、新型コロナウイルスの起源地究明問題の政治化に反対する。各分野における中国との協力を引き続き深め、新型コロナウイルスとの戦いにおいて協力を強化していきたい」と述べました。
プーチン大統領はさらに、「ロシアと中国はアフガン問題について、似たような立場と共通した利益を有している。ロシアは中国と意志疎通と協調を密に行いつつ、アフガン問題に関する多国間メカニズムに積極的に参与していく。アフガン情勢の安定した進展を推進し、テロリズムを取り締まり、麻薬の密輸を遮断し、アフガンからの安全リスクの外部流出や外部勢力からの妨害や破壊を防止し、地域の安全と安定を維持していくことを願っている」と表明しました。
双方はさらに、現在の国際や地域の情勢が複雑で変転しつつあることや、中露双方にとって二国間や多国間の重大問題について速やかに意思疎通を維持することが重要かつ必要であるとの認識で一致し、様々な方式を通じて密な交流を保つことで合意しました。
「中国国際放送局日本語版」2021年8月26日