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japanese.china.org.cn |17. 11. 2021

中米首脳ビデオ会談、両国の関係発展に関する戦略的、全体的、根本的な問題で意思疎通

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 習近平国家主席は11月16日午前、米国のバイデン大統領とビデオ会談を行いました。双方は中米関係の発展に関する戦略的、全体的かつ根本的な問題について、深く踏み込んだ交流を行いました。


 習主席は会談で、「中米それぞれの発展を推進し、平和と安定した国際環境を維持し、気候変動や新型コロナ感染症の予防と抑制など全世界的な試練に対応するためには、健全な中米関係が欠かせない。中米両国は相互尊重、平和共存、協力共栄の状態であるべきだ。私はバイデン大統領と共に、共通認識を形成し、積極的に行動し、中米関係を積極的に前向きに発展させていきたい。これは両国の国民に幸せをもたらすために必要であり、国際社会が期待することでもある」と強調しました。


 習主席はまた、「中米関係発展の経験と教訓を総括すれば、新しい時期の中米のあり方について、三つの原則を堅持する必要がある。その第1点は相互尊重だ。すなわち彼我の社会制度及び発展の道を尊重しあい、双方の核心的な利益および重大な関心事を尊重しあうことだ。また、各自の発展の権利を尊重して平等に向き合い、食い違いを適切に処理し、小異を残して大同につくことだ。第2点は平和共存だ。衝突せず対抗しないことは、双方が必ずや守らねばならない最低ラインだ。米国側は、中米は『共存』できると表明したが、それに『平和』という2文字を付け加えてよい。すなわち平和共存だ。第3点は協力共栄だ。中米は利益が深く融合している。和すればすなわち共に栄え、争えば共に傷つく。互利互恵を堅持する必要がある。ゼロサムゲームをしてはならない」と論じました。


 習主席はさらに、中米が注力して推し進めるべき四つの優先事項について、「第1点は、大国としての責任を果たし、際立った試練に対応すべく国際社会の協力をリードすることだ。第2点は、平等互恵の精神に基づいて各レベル、各分野における交流を推進し、中米関係にプラスのエネルギーをより多く注入することだ。第3点は、建設的な方式で双方の食い違いや敏感な問題を処理し、中米関係が軌道を離れて制御不能になることを防止することだ。第4点は、国際社会や地域の焦点となる重大な問題で協調し協力することだ」と強調しました。


 習主席は中国の発展の道と戦略的意図を紹介し、「私が就任した時に、人民の美しい生活への憧れはわれわれの奮闘目標であると公言したことがある。中国人民の美しい生活への憧れは、中国の発展の最大の原動力であり、必然的な歴史的すう勢でもある。この歴史的すう勢を阻止することを中国人民は承知せず、それは根本的に阻止できないものだ」と述べました。 習主席はさらに、「中国人民はかねてから平和を好み、和を貴ぶと主張してきた。対外開放は中国の基本的国策で鮮明な象徴でもある。中国がハイレベルな対外開放を拡大する決意は変わらない。世界と発展のチャンスを分かち合う決意も変わらない。経済のグローバル化をより開放的、包摂的で広く社会に寄与する方向に推し進め、また均衡的、ウィンウィンの方向に発展させる決意は変わらない」と強調しました。


 習主席はまた「中国は平和、発展、公平、正義、民主、自由という全人類共通の価値観を提唱する。イデオロギーによる分類や陣営の分割、集団の対抗などは最終的に世界に災いをもたらすに違いない。冷戦の負の結果を教訓とし、米国は『新冷戦』を目指さない姿勢を確実に行動に移してほしい」と述べました。


 この他、習主席は台湾問題における中国の原則的立場を述べ、「台湾海峡両岸は新たな緊張した情勢に直面しているが、その原因は台湾当局が『米国に頼り独立を図る』ことを繰り返す一方、米国も一部の人が『台湾で中国をけん制する』意志を持っているからである。この傾向は非常に危険で、火遊びみたいなものであり、火遊びをする人は必ず自滅する。『一つの中国』の原則と中米の三つの共同コミュニケは中米関係の政治的基礎である。台湾問題の真の現状と一つの中国の核心的内容とは、すなわち世界には中国が一つしかなく、台湾は中国の一部であり、中華人民共和国政府は中国を代表する唯一の合法政府であることだ。中国が完全な統一を実現することは、中華民族全体の共通の願いである。私たちは忍耐強く、最大限の誠意をもって、平和的統一を最大の努力で実現したい。しかし、仮に『台湾独立』分裂勢力が挑発・無理強いし、レッドラインを突破するなら、やむを得ずわれわれは断固とした措置を取っていく」と強調しました。


 さらに、習主席は会談で「文明は豊富多彩で、民主も豊富多彩だ。我々は相互尊重を基盤として人権問題について対話したい。しかし人権問題を口実に他国の内政に干渉することには賛成できない」と強調しました。  


 習主席は中米経済貿易関係については、「中米の経済貿易関係の本質は互恵とウィンウィンだ。ビジネスを語る時にはビジネスの言葉を使うべきだ。中米の経済貿易問題を政治化してはならない。双方は大いに協力して『大きなパイ』を作らねばならない。米国は国家安全の概念の乱用と拡大を通じて中国企業を圧迫することをやめるべきだ。中米には、マクロ経済政策の意思疎通を維持し、世界経済の回復を支え、経済や金融リスクを防止する必要がある。米国は国内のマクロ政策の海外への波及効果を重視し、責任あるマクロ経済政策を取るべきだ」と述べました。  


 習主席はエネルギー安全問題については、「中米両国は、国際社会が共同で世界のエネルギー安全を守ることを提唱し、天然ガスと新エネルギー分野の協力を強化し、国際社会とともに世界産業チェーン、サプライチェーンの安全と安定を維持するべきだ」と指摘しました。 


 習主席は気候変動問題については、「中米はかつて、気候変動に対処する『パリ協定』の締結を手を携えて促した。両国は現在、ともにグリーン低炭素経済への転換を進めており、気候変動が中米の新たな協力のハイライトにすることは、完全に可能だ」と述べました。


 習主席は公衆衛生問題については、「新型コロナウイルス感染症の拡大によって、人類社会が運命共同体であることが改めて証明された。人の命以上に優先して考慮すべきものはない。団結と協力は、国際社会が感染症に打ち勝つための最も強力な武器だ。世界規模の感染症に対して必要なのは科学的態度であり、感染症の問題を政治化することは百害あって一利なしだ。全世界の当面の急務はワクチン不足を解決し、『ワクチン・ギャップ』を取り除くことだ」と指摘しました。


 これに対して、バイデン大統領は、「米中関係は世界で最も重要な2国間関係である。米中は世界の二つの大国として、米中両国および世界の人々に責任を負っている。双方は、胸襟を開いて率直な対話を通じて、互いの意図についての理解を深め、両国の競争が公平かつ健全で、紛争に至ることがないよう確保すべきである。私は習近平主席が述べた『歴史は公正であり、米中関係はよくするしかなく、壊すことはできない』ということに賛同する。中国は5000年以上前からの大国で、米側は中国の体制を変えること、同盟関係の強化を通じて中国に反対することを求めず、中国と衝突する意図がないことを再度明確に表明したい。米政府は長期的に一貫した『一つの中国』政策を遂行することに力を尽くしており、『台湾独立』を支持せず、台湾海峡両岸の平和と安定を望んでいる。米側は中国側と相互尊重し、平和的に共存し、意思疎通を強化し、誤解を減らし、建設的な方法で意見の相違を適切に解決し、米中両国の利益が一致する分野で協力を強化し、新型コロナウイルス感染症や気候変動などの世界的な課題に共に対応し、両国人民がより良い生活を送れるようにしたいと願っている。両国の若い世代がもっと触れ合い、互いの文化を理解し、それによって世界をより麗しいものにすべきである」との考えを示しました。  


 双方はまた、アフガニスタン、イランの核問題、朝鮮半島情勢など共通の関心事項である国際・地域問題についても意見を交わしました。(非、閣、孟、雲、鈴木、浅野)


「中国国際放送局 日本語版」より 2021年11月17日