習近平国家主席は22日、中国・ASEAN対話関係構築30周年記念サミットにテレビ会議の形式で出席し、議長を務め、「運命を共にし、郷里を共に構築」と題する重要演説を行った。会議後に呉江浩外交部長助理(外務次官補)がメディアの取材に応じ、サミットの成果を次のように説明した。新華社が伝えた。
中国とASEANの対話関係構築から今年で30年になる。習主席はブルネイのハサナル・ボルキア国王と共に、中国・ASEAN対話関係構築30周年記念サミットの共同議長を務めた。今回のサミットは今年中国にとって最も重要な近隣外交活動であり、習主席がASEAN諸国首脳と集団会議を行うのもこれが初となる。サミットの最も重要な成果は、習主席とASEAN諸国首脳が中国・ASEAN関係を包括的な戦略的パートナーシップに格上げすることを共同発表し、双方関係の歴史に新たな一里塚を築いたことだ。
習主席は記念サミットに出席し、ASEAN首脳と共に双方関係の発展における重要な成果と貴重な経験を全面的に総括し、将来の発展の青写真を描いた。双方は、中国・ASEAN関係の将来的な発展の方向性、各分野での協調・協力の深化、より緊密な中国・ASEAN運命共同体の構築をめぐり、8つの重大な共通認識に至った。
(1)上層部のリーダーシップを堅持し、双方の関係の新たな位置づけを実行に移す。習主席は、中国とASEANが共に平和な郷里、安寧な郷里、繁栄する郷里、美しい郷里、友好的な郷里を築き、この新たな位置づけを具体的に実現させ、より緊密な中国・ASEAN運命共同体に向けて新たな一歩を踏み出すことを提唱した。
(2)新型コロナとの闘いにおける団結を堅持し、人々の命と健康を守る。習主席は「中国・ASEAN健康の盾」協力の始動を提唱。ASEAN諸国に、さらに新型コロナウイルスワクチン1億5000万回分を無償供与し、ASEAN防疫基金に500万ドル(1ドルは約115.1円)を追加拠出することを発表した。
(3)共同発展を堅持し、地域経済の回復を支援する。習主席は、中国側が今後3年間で、新型コロナ対策と経済回復のために、ASEAN諸国にさらに15億ドルの開発援助を行うことを発表。さらに、▽ASEANと国際開発協力を実施し、協定交渉を開始する意向▽ASEANと「自由貿易圏バージョン3.0」の構築を始め、貿易と投資の自由化・円滑化水準をさらに高める意向▽今後5年間で1500億ドルの農産物の輸入を目指すことを含め、良質なASEAN諸国産品の輸入を増やす意向を表明した。
(4)革新的な発展を堅持し、成長の新たな原動力を培う。習主席は、中国側が中国・ASEAN科学技術革新強化計画を始動し、1000件の先進的適正技術をASEANに提供し、今後5年間でASEANの若手科学者300人の中国での交流を支援することを表明した。デジタル経済など新分野の協力を拡大し、デジタル・ガバナンス対話を行い、デジタル技術革新の応用を深めることを提唱した。
(5)持続可能な開発を堅持し、グリーン・トランスフォーメーションを加速する。習主席は、中国側がASEANと気候変動対策対話を行い、政策の意思疎通と経験の共有を強化し、持続可能な発展計画を連携させ、地域のエネルギー転換を共同で推進し、クリーンエネルギー協力センターの設立を検討し、グリーンファイナンスとグリーン投資の協力を強化し、ブルーエコノミー・パートナーシップを構築する意向であることを強調した。
(6)交流と相互参考を堅持し、民心の通じ合いを促進する。習主席は、文化、観光、シンクタンク、メディア、女性、スポーツ、青年などの分野で交流を推進して、双方の人々がお互いをよりよく知り、より親密になり、より融合していくようにすることを強調した。
(7)連携と協力を堅持し、地域の平和と安定を維持する。習主席は「対立ではなく対話、同盟ではなくパートナーシップを堅持し、平和を脅かし、損なう様々な負の要因に連携して対処することが必要がある。中国は覇権主義とパワーポリティクスに断固として反対する。地球は中国と米国の両方を受け入れるに十分な大きさがあり、重要なのは意見の相違を建設的に管理し、激化や拡大を避けることだ。中国側は当然、自らの主権・安全・発展上の利益を守る必要がある。米側がこれと関係する問題を慎重に扱うことを望む。同時に、中国側は周辺諸国と長く友好的に付き合い、南中国海を共に平和の海、友情の海、協力の海にすることを望んでいる」と表明した。
(8)ASEANの中心的地位を堅持し、真の多国間主義を実行する。習主席は「真の多国間主義を実行し、国際・地域の事は皆で協議して行うことを堅持する必要性がある。中国は、ASEANの団結とASEAN共同体の構築、地域枠組におけるASEANの中心的地位、地域および国際問題におけるASEANのより大きな役割の発揮を揺るぎなく支持する」と強調した。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年11月23日