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japanese.china.org.cn |14. 11. 2023 |
今回のAPEC会議、試される米国の責任
APEC(アジア太平洋経済協力)リーダーズウイークが11日、米国で開幕した。開催地のサンフランシスコも準備万端で、全面的にAPECの時を迎えた。このサンフランシスコで1週間開かれる会議には、21のAPEC参加国の首脳及び代表者や、約1200人の企業のCEOを含む2万人以上が集まる見込みだ。
報道によると、サンフランシスコは今回のAPEC会議を非常に重視しており、これを1945年のサンフランシスコでの「国連憲章」の調印に並ぶ「歴史的な出来事」としている。今回の会議は貿易、観光、投資などによりサンフランシスコに5000万ドル以上の経済効果をもたらす。また多くの人々がサンフランシスコで、世界の経済協力及び相互接続に期待感と強い支持を示すことになる。
米国は今回のAPEC会議を盛り上げるため全力を注いでいるが、会議が成功するかという重要な問題に対しては矛盾した態度を取っている。今回の会議のテーマ「すべての人に柔軟で持続可能な未来を」のように、主催国の米国は各参加国との関係の深化を強調し、共同の挑戦に対応する共通認識を求めようとしている。しかし米国はその一方でこらえきれず、この場を利用しいわゆる米国のアジア転向の経済的な成果や経済安全関連のテーマをアピールし、「相互依存」における競争の面を強調しようとしている。例えばAPECの会期中にインド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚級会合を開く。情報によると、米国には「APECを利用しIPEFの進展をアピールする」狙いがあるという。
しかし何はともあれ、アジア太平洋地域の経済協力のメインルートというAPECの地位は現在も変化していない。「相互依存、共通の利益、開放的な多国間貿易体制の堅持、地域間の貿易の壁の減少」という主旨と目標は依然として、大多数の参加国の共通認識になっている。米国は1993年から現在の間に、この主旨と目標の支持者・保護者から、徐々に重要なネガティブ要素になっている。さらにはいわゆる「デカップリング・チェーン寸断」や「脱リスク」を促し、市場の法則よりも政治と安全を重視しようとする動きの主な出処となっている。米国のAPECに対する矛盾した態度は、この役割の変化と高度に一致している。これはAPECの未来の発展にとって最大の不確実性にもなっている。
世界経済が低迷し、局部の衝突が相次ぐ中、アジア太平洋の成長はこの動乱する世界における得難い輝きだ。同地域は全世界で経済の活力が最も高い地域でもある。最新の調査結果によると、「APECはアジア太平洋の安定と安全に資する」とした回答者は85.07%にのぼった。APECの最大の経済体である米国が主催する今回のAPEC会議が食い違いを解消し、広い共通認識を形成し、かつ具体的な行動によって地域の開放と協力、平和と発展を促進できるかは、その大国としての責任を測る物差しになる。米国は今後、アジア太平洋の協力に新たな内容を注ぐか、あるいは自国の地政学的な計算によりAPECの未来に向け遠心力を生むか。世界は刮目して待っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月14日