share
政治・安全>
japanese.china.org.cn |16. 12. 2023

欧州の対中政策「米国の利益に屈する」べきではない=スペインメディア

タグ: 米国
中国網日本語版  |  2023-12-16

 スペイン紙プブリコはウェブサイトで12月8日、「欧州が米国に屈すれば、中欧の理解に影響」と題した記事を掲載した。筆者はフアン・アントニオ・サンス氏で、記事の要旨は次の通り。

  

 今週北京で行われた中国・欧州連合(EU)首脳会議は、協力支援でまとまったものの、ほぼ何も確約がないままに終了した。EUはアジア太平洋地域における米国の利益に屈しており、EU本部と中国政府は互いの地政学的・経済的認識に大きな隔たりがあることがわかった。

  

 中国とEUの対面での首脳会議は、2019年以来初めて。今回の首脳会議により中国とEUの関係はやや和らいだものの、それぞれの戦略的立場には依然として距離がある。

  

 欧州にとって情勢変化の見通しは必ずしも楽観的とは言えない。今年11月の統計で、中国の輸出額は数カ月ぶりに増加に転じた。これは、中国の工場が低価格でバイヤーを呼び込むことで、長期的な需要の減少を克服できる可能性があることを意味する。このためフォンデアライエン氏とミシェル欧州理事会議長は中国に対し、市場参入規制を緩和しEU投資家のための条件を改善するよう求めているのだ。

  

 しかし、欧州諸国は中国に対して欧州からの輸入障壁を引き下げるよう要求する一方で、矛盾したことに、EU各国政府はハイテク部品の対中輸出をめぐる米国の制裁を受け入れている。

  

 中国外交部の報道官はサミットの前夜、「売買は双方の間で行われるものだ。もしEUがハイテク製品の対中輸出に厳しい制限を設ける一方で、対中輸出の大幅な増加も望むというのであれば、それは合理的とは言えないだろう」と指摘した。

  

 欧州では現在、「欧州貿易の問題は中国が設ける可能性がある障壁ではなく、それに対応するEUの強行規定にある」と強調する声も多い。そのため、中国市場へのアクセスを確保するには、欧州全体の戦略を再調整し、競争と協力のバランスをとる必要がある。

  

 EUと中国の首脳は、国際舞台で対話の余地を求める必要性で一致した。フォンデアライエン氏は「経済的・地政学的な共通の利益」に言及したが、中国政府のメッセージは明確で、「中国と欧州は多極化した世界の構築に尽力しなければならない」というものだ。これは多くの欧州戦略家に歓迎されている。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月16日