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japanese.china.org.cn |24. 12. 2023

中国、米国の「フレンド・ショアリング」に対応強化

タグ: 米国
中国網日本語版  |  2023-12-24

 米金融情報サービス大手のブルームバーグは16日、米国が同盟国や友好国の間のみでサプライチェーン(供給網)を構築する「フレンド・ショアリング」の動きを強める中、中国がこうした国々との貿易・投資関係を深めようとしていると報じた。これにより、世界貿易における自国の優位性を維持し、ひいては強化することができるとしている。

 米国は自国の消費につながるサプライチェーンにおいて、中国の役割を弱めようとしているが、中国もこれを黙って見ているわけではない。米国の輸入品に占める中国製品の割合が減少し、中国への直接投資も減少しているため、表面的には、米国による「フレンド・ショアリング」が影響を及ぼしているように見える。

 だが、HSBCホールディングスによれば、こうした新たな投資資金の大半は中国まで遡ることができるという。さらに掘り下げると、メキシコなど米国の輸入元ランキングで上昇した国への中国の輸出が増加していることも分かる。これは、中国が単に輸出ルートを変えたに過ぎないことを示している。

 国内では、中国は海外に移転させた低価格帯製品の生産に代えて、高付加価値の製造業への投資を倍増している。国内資金の不動産業から製造業へのシフトは非常に大きい。

 米シンクタンク大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)で中国経済を研究しているニルス・グラハム氏は今週、「これは重大な構造転換だ」と指摘。英スタンダード・チャータード銀行の中国マクロ戦略担当責任者ベッキー・リウ(劉潔)氏は「資源を製造業や工業部門へ移転したことで、高付加価値製品の競争力は確実に高まった」と述べた。

 フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、ウェイ・ヤオ(姚煒)氏とミシェル・リン氏の分析によると、競争力の向上に加え、不動産市場の低迷により内需が冷え込んだことで、中国製品の輸出超過はここ数年で再び過去最高を更新した。

 中国企業は国内で付加価値の高い部品を生産した後、東南アジアやメキシコなどへの出荷を年々増やしている。貿易統計に見られる変化は、少なくとも最終製品の一部が米国向けであることを示している。

 英金融大手HSBCホールディングスによると、今年1~9月の中国の対メキシコ輸出は610億ドルに急増し、新型コロナ感染拡大前の2019年に比べて約78%増加した。同じ期間に、米国のメキシコからの輸入は860億ドル増加した一方、中国からの輸入は260億ドル減少した。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月24日