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japanese.china.org.cn |08. 03. 2024

政府活動報告の10の「新」に見る中国経済の動向

タグ: 中国経済の動向
「人民網日本語版」  |  2024-03-08

(4)デジタル経済の革新的発展


 報告は、デジタル経済の革新的発展を踏み込んで推進するとした。


 全国政協委員を務める中国社会科学院工業経済研究所党委員会の曲永義書記は「デジタル経済は新たな国際競争の重点分 野だ。デジタル経済の革新的発展を推し進めるには、研究開発投資を拡大し、デジタル経済のガバナンスシステムを整備し、デジタル経済の専門人材の育成を強化して、デジタル経済の革新的発展のためにより多くの適用シーンを創出する必要がある」と指摘する。


(5)新型インフラ


 報告は、デジタルインフラの整備を適度に前倒しするとした。新型インフラは報告の打ち出した重点的な支援分野だ。


 全人代代表を務める科大訊飛(アイフライテック)の劉慶峰会長は、「すでに2018年の中央経済政策会議で、5Gの商用展開のペースを加速し、人工知能(AI)、インダストリアル・インターネット、IoT(モノのインターネット)など新型インフラの整備を強化する方針が打ち出された。現段階では、汎用人工知能(AGI)がインダストリアル・インターネットを全く新たな段階へと導いていくと見られており、AIコンピューティングセンターなどの新型インフラが特に重要になると思われる」と指摘する。


(6)新しい消費形態


 報告は、新しい消費形態を大きく成長させ、デジタル消費、グリーン消費、ヘルスケア消費の喚起策を実施するとした。

全人代代表を務める海南省発展ホールディングスの周軍平会長は「新しい消費形態は従来の消費形態と比べ、生産者と消費者のインタラクションをより重視しており、デジタル化、スマート化、シーン体験化などの特徴を備える」と指摘する。


(7)国際経済協力と競争の新たな優位性


 報告は、貿易と対中投資の基盤を固め、国際経済協力と競争の新たな優位性を育成するとした。


 商務部(省)国際貿易経済協力研究院の白明研究員は「過去の貿易の発展においては、往々にして低価格競争頼みの企業が多かった。低価格競争モデルから脱却するには、第1にコア技術によって製品の付加価値を高めること、第2にブランド意識を持つこと、第3にマーケティングモデルを革新することが必要だ」と指摘する。


(8)新型都市化


 報告は、新型都市化戦略行動を踏み込んで実施し、各種要素の双方向的移動を促進し、都市部と農村部の融合的発展の新たな形を構築するとした。


 「都市化は中国式現代化の重要な手段であり、エンジンでもある」。全国政協委員を務める秦栄生・北京国家会計学院元院長は「中国は領土が広大で、地域間の発展が不均衡だ。都市部と農村部の融合的発展の潜在能力を一層活用し、都市部の経済・人口収容力を高める必要がある」と指摘する。


(9)不動産業の新たな発展モデル


 報告は、新型都市化の発展の趨勢と不動産市場の需給関係の変化に適応し、不動産業の新たな発展モデルの構築を加速するとした。


 北京大学不動産法研究センターの楼建波センター長は「新市民や若者の住宅問題を解決するよう努力する必要がある。報告は、保障性住宅(政府補助のある低中所得者用住宅)の建設と供給を強化し、住民の硬直的住宅需要と多様な改善需要を満たす方針を打ち出した。不動産業の新たな発展モデルが徐々に確立されるに従い、不動産業は全く新たな発展段階に入ることになる」と指摘する。


(10)新型農業経営主体


 報告は、新型農業経営主体及び社会的サービスを発展させ、農村部の人材を育成・活用するとした。


 全人代代表を務める江蘇省鎮江市鎮江新区永興農機機械化専業合作社(協同組合に相当)の魏巧理事長は、支援政策を打ち出し、より多くの若者が「新農民」に加わるように促し、新型農業経営主体の育成に力を入れ、農業の社会的サービス水準を高め、農業後継者難の問題を解決することを提言している。(編集NA)


 「人民網日本語版」2024年3月7日


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