japanese.china.org.cn |04. 04. 2024 |
中国に対する悪者扱いは良くない兆候、「トゥキディデスの罠」作者が警告
米ニューヨーク・マガジンは先般、「『トゥキディデスの罠』作者が中国を悪者扱いするリスクを語る」というタイトルの記事を掲載し、米国の政界で対中強硬論がトランプ流の執念から常識に変わったと伝えた。これについて政治学者でハーバード大学ケネディ行政大学院学長のグレアム・アリソン氏は、あまり良くない兆候だとの見解を示す。同氏は影響力を持つ外交政策論者で、既存の大国と新興のライバル国が戦争に至る歴史的な傾向を表す「トゥキディデスの罠」という言葉を作った。しかし、米国の対中政策がますます激しくなる中、同氏は警告を発した。同氏は、中国をひたすら敵視することは将来的に軍事衝突が起こるリスクを高める可能性があり、米国の目標達成にはより良い選択肢があるとの見解を示した。ニューヨーク・マガジンの取材内容を以下に抜粋する。
米国が中国を悪者扱いするのは、中国が多くの分野で大きなライバルとなりつつあることを認識しているためだ。実際に一部の分野で、中国は米国に代わって支配的な力を持つようになっている。もし今、「中国は自分たちよりも多くの自動車を作っているのか」と人に聞けば、相手は「そんなことはないだろう」と答えるかもしれない。そして現状を理解したら「自分たちが自動車を発明したのに、なぜ中国が作る自動車は自分たちよりも多いのだろうか」と考えるはずだ。
取って代わられたという感覚は2種類の奇妙な反応を引き起こす。1つは悪者扱いで、基本的には「そうか、これは自分の認識に反している。自分の中では米国がナンバーワンだ」と考える。
我々は何年間も、自動車分野で日本に抜かれるなど一部の分野では他国に追い越されており、すでにその状況に慣れている。
当初は大きく反応したが、その後は次第に落ち着き、すべての分野でナンバーワンになることはできないという事実に順応するようになった。
こうした悪者扱いは自然な反応と言えるが、一方で誰かが与えたワラにすがり「中国はすでにピークを過ぎたか、崩壊もしくは衰退しつつある」と言う正反対の反応も出やすい。
そのため、悪者扱いをする危険性は中国の挑戦に対する過大評価と過小評価にある。これは愚かな反応につながりかねない。例を挙げると、マイク・ギャラガー下院議員はバイデン政権が中国との対話を再開しようとしていることに大きな不満を抱いている。しかし、米中の政府関係者がコミュニケーションを取る目的は、真の相違点を明確にすることに加え、混乱と誤解を解消し、誤った判断を避けることにある。過去には誤った判断が望まない戦争につながった国もあった。
中米両国の首脳が長時間にわたり真剣かつ率直な対話を進めたのは良いニュースだ。私にとってこれは成功の大きなバロメーターになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月4日