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japanese.china.org.cn |15. 05. 2024

対中追加関税、バイデン氏の「票集め」の手段に

タグ: 対中追加関税 バイデン 票集め
中国網日本語版  |  2024-05-15

 海外メディアは米政府の今回の対中追加関税について、バイデン氏が大統領選で票を集めるためと見ている。ロイター通信は、「バイデン氏のこの措置は、その経済政策を評価しない有権者を集めるためであり、選挙イヤーに中国との関係が膠着状態に陥るリスクを冒している」と伝えた。

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、「バイデン氏は再任に向けた選挙活動において、本政権の再生可能エネルギーへの投資を強調し、かつ政府の支援措置を受ける新工場をわざわざ視察した。これは有権者に対して、米製造業の再興のため取り組んでいることをアピールするためだ」と報じた。米CBSは、中国製電気自動車(EV)への関税を大幅に引き上げることで、全米自動車労働組合(UAW)からの圧力を軽減できるだろうと伝えた。UAWは1月にバイデン氏の再任を支持したが、2020年より大幅に遅れた。これはバイデン氏がEVへのモデル転換を実現しようとし、労働組合に懸念を抱かせたためだ。

 外交学院国際関係研究所の李海東教授は14日、「環球時報」に対して、「米国にとって、伝統的な自動車製造業は大規模な雇用と関わるが、ガソリン車のEVへのモデル転換は数多くの困難に直面している。バイデン政権の今回の関税引き上げは、米国のガソリン車製造大手からの支持を集めるためであり、また米国が世界の新エネ分野の主導権を握ると米国人に示すためでもある」と述べた。

 ブルームバーグは、「これは表面的に姿勢を示すだけのものだ。バイデン政権の追加関税は一部の産業に実質的な影響を及ぼさないだろう。中国製EVが米国市場で高いシェアを占めておらず、太陽光製品の多くは他国から米国に輸出するからだ」と伝えた。中国(深セン)総合開発研究院財税貿易・産業発展研究センターの韋福雷主任は14日、「環球時報」に対して、「米国は中国EVメーカーの主要マーケットではない。今回の100%への関税引き上げは、中国製EVを米国から締め出そうとするものだ」と述べた。

 韋氏はまた、「米国の現在の政策は自己矛盾している。中米新任気候変動特使がワシントンで会談する一方で、米国は中国の新エネ製品を過剰生産能力と定義し圧力をかけている」と述べた。アナリストはロイター通信の報道で、「(米中)貿易紛争はEVの全体的なコストを引き上げ、バイデン氏の気候目標及び製造業の雇用機会創出の目標を損ねる可能性がある」と警告した。沃達福デジタル自動車国際協力研究センター の張翔主任は14日、「環球時報」に対して、「中国は現在、世界で最も主要な新エネ車産業チェーンを持っている。中国の部品を拒めば米自動車産業のモデル転換と発展にとって損失になる」と述べた。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年5月15日