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japanese.china.org.cn |20. 06. 2024

米映画「CIVIL WAR」はフィクションか、現実への警鐘か?

タグ: CIVIL WAR
中国網日本語版  |  2024-06-20

人々が街で殴り合い、建物の中で撃ち合い、血と火で同胞が命を落とす。これは戦争が頻繁に生じる中東やアフリカでのことではなく、Hollywoodの新作「CIVIL WAR」で描かれる米国の「近い将来」だ。

本作は米国国内で大きな物議を醸しているが、米紙「ニューヨーク・タイムズ」は今年最高の映画作品の一つと評価している。AP通信は今年の「最も衝撃的」な作品の一つとした。

本作のアレックス・ガーランド監督はインタビューで、「これは二極化、分断、ポピュリズムの政治が過激主義に陥る政治的な作品だ。過激な党派性の危険性に警鐘を鳴らしたい」と述べた。

評論家は、本作が米国の多くの観客に深刻な不安、懸念、焦燥を抱かせるのは、「虚構」によって現実を映し出したためと見ている。人の心を揺さぶるあの「お前はどちら側の米国人だ」という言葉、その言葉に含まれた分断と対立のムード、「少しでも意見が合わなければ手を出す」という暴力の衝動は現在の米国社会の現状を反映している。これは本作が人を震撼させる理由だ。

「ニューヨーク・タイムズ」の映画コメンテーターは、本作はX線検査のように、一国の「魂の病」をはっきり示すと述べた。米エンタメ紙「バラエティ」の映画コメンテーターも、本作は「米国の政治、精神、イデオロギーの裂け目から溢れ出す怒りの炎を反映」と指摘した。

米大統領選が近づき民主党と共和党の争いが激化する中、本作には現在の米国の政治的対立と社会の分断が、過去数十年になかったほど深刻な状況に陥っていることへの注意を促す意義があるとされている。作中では内戦勃発の具体的な原因が挙げられておらず、党の顕著な傾向も示されていないが、多くの観客は2021年1月6日の米国議会議事堂襲撃事件を連想した。

ハリウッド業界メディア「ハリウッド・リポーター」は、「米国史上最も物議を醸す選挙イヤーの一つが近づいている。深刻な食い違いにより、合衆国という時代遅れの呼称が笑いの種になっている。人々が焦燥するのは、大統領選の結果によりもう一方が憤り、暴力を扇動する可能性を懸念しているからだ。この雰囲気は本作の上映に向け気運を高めたようだ」と指摘した。

米NPRとPBSが世論調査研究所とこのほど行った世論調査の結果によると、米国の成人の約5人に1人が、暴力によって国内の食い違いを解消できると信じている。一部の専門家はこれを受け、選挙イヤーの国民感情が米国を極度に危険な境地に立たせることを懸念している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月20日