japanese.china.org.cn |14. 09. 2024 |
米国の同盟・パートナー体制の転向、アジア太平洋に不確実性をもたらす
第11回北京香山フォーラムの8回の並行分科会が13日午後、開かれた。1回目の会議「ASEANとアジア太平洋地域の安全枠組み」専門家発言で、中国南海研究院学術委員会の吴士存主席は、「米国がアジア太平洋で主導する同盟・パートナー関係はより多くのミニラテラルに転向している。これはアジア太平洋全体を網羅する安全枠組みの構築に障害をもたらした」と指摘した。吴氏の発言の要旨は下記の通り。
アジア太平洋は近年、脱グローバル化とデカップリングの衝撃を受けているが、全体的には発展と繁栄の流れを保っている。これは中国及びASEAN諸国が主導もしくは参加する地域安全メカニズムが発揮している力のおかげだ。ところが統一的で安定的な地域安全メカニズムは未だ形成されておらず、米国主導の同盟・パートナー体制が干渉を続けている。これはアジア太平洋の発展に多くの不確実性、さらには障害をもたらしている。
米国が2017年に「インド太平洋戦略」を開始すると、アジア太平洋で主導する同盟・パートナー体制は二国間同盟関係を基礎としていたが、近年この体制はミニラテラルに転じる傾向が日増しに顕著になっている。同盟体制の全面的な統合を通じ、米国は「5・4・3・2」を中心とする安全体制を形成した。これには米国、英国、カナダ、豪州、NZの「ファイブアイズ」、米印豪日の「クアッド」、米英豪の「AUKUS」、米日韓による軍事協力や、二国間軍事同盟の強化が含まれる。米国はこれを利用し地域安全枠組みを統合し、米国の地域同盟諸国間の内部統合及び管理も実現した。
米国主導のアジア太平洋同盟体制は排他的で、中国の台頭に対抗することを重要目的としていることから、地域に安全公共財を持続的に提供することが困難だ。同時に米国主導のミニラテラルメカニズムの構築と発展に伴い、同盟国と米国の親疎の度合いが徐々に露呈し、同盟国間の問題も徐々に生じている。これはインド太平洋同盟体制の統合の効果に影響を及ぼしている。
これを背景とし、アジア太平洋全体を網羅する安全枠組みは短期間内の形成が困難だ。それよりも例えば、「南中国海行為準則」枠組みに基づく南中国海地域安全メカニズムなどの、より小範囲の安全メカニズムの方が高い可能性を持つだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年9月14日