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japanese.china.org.cn |12. 06. 2025

文明の光で平和の道を照らす アテネ「古都文明対話」

タグ: アテネ 古都文明対話
中国網日本語版  |  2025-06-12

初夏の朝、オリーブの枝葉が風に揺れるアテネ大学哲学部の回廊では、両側に円明園の変遷を記録した歴史画像が並び、石壁に刻まれた古代ギリシャ詩人の名句と呼応する。

戦火と略奪を経験した二つの悠久な文明がここで対話した。「文明と平和:パルテノン神殿から円明園へ」をテーマとする「古都文明対話」交流イベントが10日、アテネで行われた。初の国連「文明対話国際デー」に合わせ、中国、ギリシャ、英国、米国などの代表者、専門家、若者らが一堂に会し、文明の源流を辿り、変革期における文化的責任を論じ、悠久な文明の現代における継承と対話の価値を探った。

ユネスコのエルネスト・オットーネ・ラミレス事務局長補(文化担当)はビデオメッセージを寄せ、「文明対話国際デー設立の初心は、国連の世界平和維持という使命にある。文明間対話による平和促進は、第二次世界大戦終結80周年を記念する本質的な意義でもある」と話し、相互尊重・包容・開放に基づく文化交流は人類の共感を育む鍵であり、平和の信念が人心に根ざす必要があると強調した。

ギリシャから中国へ、パルテノン神殿から円明園へ。一つはエーゲ海の山頂に誕生し、一つは東洋の皇室庭園に花開いた。一方は理性と秩序の象徴で、他方は自然と哲学的思考の結晶。ともに輝かしい歴史を持ちながら戦火と略奪に遭い、廃虚を残すと同時に時空を超えた文化の力と痛ましい記憶を積み重ねてきた。

対話の目的について、「古都文明対話」の熊澄宇議長(中国伝媒大学教授)は次のように説明した。「平和の象徴たるオリーブ枝からオリンピックの聖なる休戦まで、古代ギリシャの知恵と中国の和合(調和と融合)思想は異なる道筋で共通の結論に至る。今日の中国とギリシャの対話は、悠久な文明の相互参照だけではなく、現代世界の不安定な構造を打開する歴史的知恵を共に探るためのものだ」

ソクラテスとプラトンを生んだ地で、各国の若者たちが「遺産保護と若者の行動」「デジタル時代の文明認知」「平和継承の新世代」をテーマに議論。鮮明な視点と広い視野で、文明の多様性と平和発展への若い世代の深い思考を示した。

クレタ大学のアテナ・カヴラキ准教授は、「私たちが歴史を研究するのは、悲劇を繰り返さないためだ。パルテノンも円明園も、平和は守られ、継承されねばならないと警告している」と述べた。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年6月12日