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japanese.china.org.cn |25. 09. 2025

新疆維吾爾自治区成立70周年 その目覚ましい発展の要因とは

タグ: 新疆 70周年
中国網日本語版  |  2025-09-25

文=小林正弘

清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー


中国の西北に位置し、約2622万人が暮らし、陸域国土面積の6分の1を占める新疆維吾爾(ウイグル)自治区(以下、新疆という)が成立して70周年を迎えた。新疆で連想されるのは西遊記にも登場する火炎山のような灼熱の大地、メロンや干しぶどうなどの良質な農作物かもしれない。しかし、近年では筆者の生活する北京でもスーパーで新疆賽里木(サイラム)湖などで養殖された汚染ゼロの新鮮なサーモンの刺身が販売されていたり、電力が新疆の風力・太陽光発電から供給されるなど、新疆の新しい一面や目覚ましい発展を肌で感じる機会が増えている。

新疆地区のGDPは1955年の12.31億元(約255億円)から2024年には2兆元(約40兆円)を突破し、かつての貧困地域は今や中国経済を牽引する新しい成長エンジンとなっている。目覚ましい成長の主な要因としては、東西を結ぶ一帯一路の要衝としての地理的優位性、航空・鉄道輸送インフラ整備による220カ国・地域への貿易拡大、豊富な天然・鉱物資源と先端技術を駆使した産業革新、開放的な外商投資政策などが挙げられる。そして、地域の安定こそが持続的発展の大前提である。注目されるのが、近年、新疆の財政支出の70%以上が教育・医療・福祉の改善に投入され民衆の暮らしに安定と安心をもたらしている点だ。義務教育普及率は99%以上を維持し、大学の数も増えた。このような教育の普及は言語・文化の異なる56の民族が共存する新疆の民衆に夢と希望の光を灯し、地域の安定と今後の更なる多様な発展を促進する重要な役割を果たしていくだろう。

美しい大自然に恵まれ東西の文化が巡り合う新疆は、近年、喀什古都の修復や観光道路の整備、博物館の新設や音楽・文化・民族舞踊イベントの開催などにも注力しており、旅行スポットとしても脚光を浴びている。2024年には国内外からのべ約3億人(前年比14%増)の旅行者が訪れ、観光経済の活況が地域住民の生活に潤いをもたらしている。旅行者の増加はその地域の魅力だけでなく安全を測る指標ともなる。新疆は今後、さらに輝きを増していくに違いない。筆者も広大な新疆の自然と多様な文化を体験し現地の人々と触れ合う旅をしてみたいものである。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年9月25日