share
政治・安全>
japanese.china.org.cn |30. 10. 2025

中国・欧州間に「レアアース危機」は存在するか

タグ: レアアース 協議 脅威論 貿易
中国網日本語版  |  2025-10-30

中国と欧州は本日ブリュッセルにて、レアアース問題に関する協議を行う。今回の協議の背景には、中国のレアアース輸出政策を誇張し、いわゆる「中国の輸出規制=供給危機」を煽動する欧州の一部の動きがある。さらには「中国と欧州はハイブリッド戦争勃発目前」と主張し、「欧州は先制攻撃すべき」と叫ぶ声すらある。

しかし実際のところ、中国・欧州間に本当に「レアアース危機」というものが存在するのだろうか。

中国が世界最大のレアアース生産国と輸出国であることは、経済グローバル化における資源配分の自然な帰結だ。中国・欧州のレアアース協力は、双方の経済の相互補完性が高いことを示すものでもある。中国は長年にわたりEUにレアアースを輸出し、欧州のデジタル化・グリーン転換の目標達成、経済競争力向上、経済安全保障強化に対し多大な支援を提供してきた。EUは従来より中国レアアース産業の受益者だ。

欧州側の一部に見られる「レアアース不安」は本質的に認識の問題だ。彼らにとっては、いかなる分野においても中国との関わりが深まり連携が緊密化すれば、それは即ち中国への「依存」でありリスクでしかない。中国・欧州間の真の問題はレアアースにあるのではなく、欧州が地政学的バイアスから脱却し、対中認識の偏りを是正し、理性に基づく現実的な対中政策路線に回帰できるかにある。米国メディアが近年「中国レアアース脅威論」を吹聴する中、それに同調する欧州の一部の動きは深刻な自己卑下であるばかりか、典型的な戦略的愚昧そのものだ。

レアアースは中国・欧州関係の「障害物」ではなく「接着剤」となるべきだ。輸出管理枠組みの下、法的に実行可能かつ対等な制度的取り決めの構築こそが、中国・欧州双方が模索すべき本質的課題だ。これは中国・欧州間のサプライチェーンの安定化に資するのみならず、国際社会に対しても積極的なメッセージを発信する。「対中依存脱却」をさらに煽り立てる行為は、中国・欧州間の実務協力に暗雲をもたらすだけでなく、欧州自身の「競争力低下」という危機の解決にも何ら寄与しない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年10月30日