| japanese.china.org.cn |15. 12. 2025 |
日本731部隊「ハバロフスク裁判」重要公文書 中央公文書館が初公開
第12回南京大虐殺犠牲者国家追悼日の時期に合わせ、中央公文書館はロシアから提供された旧ソ連による日本731部隊戦犯尋問の機密解除公文書資料を公開した。「環球時報」は中央公文書館を取材し、公文書の背景を詳細にリポートした。
中央公文書館国家公文書局交流協力司の趙叢司長は、「今回の公文書は1939年5月11日から1950年12月25日までの731部隊の隊員への尋問記録、犯罪調査報告、旧ソ連政府内部文書を含み、ハバロフスク裁判公文書を中核としている。裁判前・裁判中・裁判後の3段階にわたり、旧ソ連が裁判前に実施した捜査過程が初めて明らかになった」と説明。ロシアから提供されたこれらの公文書は、中国が保管する731部隊遺跡・犯罪公文書と相互補完・相互検証され、歴史の真実を再現する決定的な証拠になると強調した。
中央公文書館の専門家の周振凡氏は、ロシアから中国に移管後に初めて体系的かつ完全な形で公開されたこれらの公文書について詳細に解説した。その中核をなすのは、第二次世界大戦後に旧ソ連が日本人戦犯を裁いたハバロフスク裁判の資料だ。旧ソ連軍は関東軍への進攻中に多くの日本人戦犯を逮捕し、尋問を通じ731部隊の重要な手がかりを発見。旧ソ連は東京裁判で、731部隊長・石井四郎の身柄引き渡しを米国に要求したものの拒否されたため、独自に特別裁判を開いた。
「これらの公文書では、731部隊の犯罪に関わった者は200人以上にのぼり、一部戦犯の完全な取り調べ記録(重要戦犯・証人を重点的に取り調べ、12人が公開裁判を受けた)、医学鑑定、証人の証言、起訴状、判決文が含まれる。戦犯自筆の731部隊本部略図も存在する」周氏によると、旧ソ連は1950年にロシア語資料の一部を出版したものの抜粋版で、今回は中国側が完全な尋問記録を初公開した。将官級や細菌生産部門責任者ら上級の戦犯の供述が、中国現存公文書の下級兵士の証言と相まって「動かしがたい一連の完全な証拠」を構成。一部の尋問記録は初公開で、戦犯らは国際条約違反、細菌戦準備および実行を自供している。
公文書に残る具体的な細部は衝撃的で、日本の右翼勢力による歴史隠蔽を完全に暴いた。731部隊生産部長・川島清の供述では、1940年、41年、42年に細菌兵器を大規模使用した暴挙がはっきり言及されている。1940年に寧波でペスト発生後、石井四郎は関連する医学論文を「喜び」、「研究が実用化され、兵器の有効性が証明された」と発言。1941年の常徳作戦では飛行機から細菌付着ノミを散布し、効果を検証した。1942年の浙贛鉄道沿線撤退時にはペスト・コレラ菌を散布した。周氏は、「実験が実戦化しただけでなく、一般市民に直接被害を与えたという事実を明らかにした」と語る。
特に専門家が注目したのは、731部隊内部で手描きされたハルビン・平房本部の略図だ。周氏は、「731部隊は投降前に施設の大半を爆破したため、記憶に基づくこの図面は、組織構造や施設の復元にとって極めて高い学術的価値がある」と指摘。公文書には南京大虐殺での生き埋め・斬首の暴行や、長春でのいわゆる「建国神廟」建設による文化の侵略も記載され、「中国側の史料と相互に裏付け合う」という。
趙氏は「ロシアから提供されたハバロフスク裁判公文書と、わが国が1956年に実施した瀋陽裁判・太原裁判の公文書史料が相互補完し、日本の対中侵略犯罪を立証している」と述べた。周氏はさらに詳しく説明を加えた。これまで中国が保存してきた関連公文書は下級将兵の自供が中心で、具体的な暴行の細部に焦点が当てられていたが、今回ロシアから移管された公文書には川島清のような将官級の中枢メンバーによる供述が多数含まれている。これらの人物は細菌戦発動の原因、目的、戦略・計画、全体生産能力をより深く理解しており、彼らの供述によって一連の証拠のつながりがより完全かつ立体的なものとなった。
趙氏は「日本軍国主義の復活阻止は国際社会の共通の意志だ」と述べた。今回の公文書が示す内容は、日本の細菌戦が「組織的・計画的・上意下達の体系的国家犯罪」であったという歴史的結論を再確認するものであり、正しい第二次世界大戦史観の普及、愛国心を中核とする民族精神の結束にとって重要であると同時に、歴史虚無主義への反論となる。周氏は、この公文書は改めて「歴史を直視することの重要性」を世界に強調していると指摘し、「歴史を銘記し、平和を尊ぶ」という姿勢により、軍国主義思想の復活に常時警戒すべきだと強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月15日
