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japanese.china.org.cn |30. 03. 2026

西藏自治区の発展、世界の極限地域に暮らす人々を照らす灯台

タグ: 西藏自治区 教育 医療 産業
中国網日本語版  |  2026-03-30

文=小林正弘清華大学法学博士 Genuineways IP Inc.パートナー

3月28日に「西藏百万農奴解放記念日」を迎えた。この日は、1959年の民主改革により西藏の農奴制が廃止されたことを記念する日である。

西藏は世界で最も美しい場所の一つである。筆者は2010年に成都から青蔵鉄道(青海省西寧と西蔵自治区を結ぶ高原鉄道)に乗り西藏を訪れた。チョモランマ峰を望む標高数千メートルの山岳地帯には真っ青な青空が広がり、高原には雲が低く流れ、聖なる湖や鮮やかな菜の花畑が広がる光景は今でも鮮明に覚えている。

強烈な紫外線、低酸素、交通の寸断、電力不足、産業の脆弱さ、人材不足など様々な発展阻害要因のために長年、貧困に苦しんできた西藏は、中国政府の積極的かつ継続的な支援の下、2019年に貧困脱却を成し遂げ、その後も目覚ましい発展の軌道を維持している。

報道によると、2025年、西蔵自治区全体の域内総生産(GDP)は3000億元(約6.95兆円)を突破し、前年同期比7.0%増となり、成長率は全国のトップ水準を維持している。生活面も持続的に改善され、都市部住民の一人当たり可処分所得は6万1802元(約143万円)となり、前年より6.2%増加し、農村部住民の一人当たり可処分所得は2万9189元(約68万円)で、7.5%の伸びを示した。太陽光・水力・風力発電施設と送電網の建設が進み、新たな産業として地域内の経済成長を支えると同時に、住民たちは厳しい冬もクリーンエネルギーを利用して暖をとることが可能となった。そして、新エネルギー車および充電施設の普及も着実に進んでいる。

教育面では、「第14次五カ年計画」期間中、西藏自治区における教育事業への総投入額は1835億5600万元(約4.25兆円)に達し、15年間の公費教育政策が着実に実施された。この政策に基づき、累計35億3700万元(約918.3億円)の資金が配分され、延べ392万500人の学生がその恩恵を受けた。現在、西藏自治区では学前教育から基礎教育、職業教育、高等教育、継続教育、特殊教育に至るまで、現代的な教育システムが整備されている。

医療衛生面では、2024年末時点で、西蔵自治区全体の医療衛生機関は7231ヵ所に増加し、平均寿命は72.5歳に向上など、住民たちが安心して暮らせる環境の整備が進んでいる。西藏自治区の発展を担う若き人材の育成と暮らしの安心の充実はこの地域の更なる発展を確かなものとし、住民たちの希望の光となる。

西藏自治区の主要な伝統産業であった牧畜でもデジタル・AI技術を取り入れた農業変革が見られる。阿里(ガリ)地区の標高4700メートルの高地牧場では、牧畜民がスマートフォンでスマート牧畜管理ソフトを操作し、120頭のヤクのリアルタイムの位置や個体ごとの体温などのデータを把握し効率的な牧畜を行っている。

過酷な自然環境に直面しなからも、西藏自治区は人間と自然との調和を目指すグリーン発展、教育福祉の充実と最新テクノロジーによって今まさに希望溢れる新たな時代を切り開いている。経済成長に伴う環境負荷の変化、急速な近代化に伴う伝統文化の継承、観光業の発展に伴う地域格差の拡大など、新たな課題への対応も必要となる。しかし、前進しつつある西藏自治区の姿は世界の極限地域において貧困に苦しむ人々の灯台となるに違いない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年3月30日