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絵画

 今から7000年前の新石器時代の陶器の上に描かれた魚、カエル、鹿、鳥、花・葉、踊りなどの絵模様は中国の最も早い時期の絵画作品である。最も早い時期の象形文字は線で構成される一枚一枚の絵であったが、のちに変化して現在の漢字になったのである。最初の絵と文字は同じ道具で書かれ、しかも線が主体となったことなので、「書画同源」(書道と絵画が源を同じうする)という説があるのだ。そのため、中国画は次のような鮮明な特徴がある。絵画に題詩または題字があり、詩、書、絵画が一体化して完全な芸術作品となり、人々に豊かな美的享受を与えている。
 古代の絵画の多くは壁あるいは屏風に描かれたもので、今でも漢、唐などの時代の墓室の中で当時の壁画の風采を見てとることができる。晋代の有名な画家顧凱之は歴史の題材を表すことに長じ、その「洛神賦」は詩人の曹植が洛神と会合する物語を描いたものである。唐と宋の時代は中国の絵画が最も栄えた時期である。盛唐期の画家呉道子は人物画と山水画にすぐれ、「画聖」と尊ばれている。北宋の画家張択端の「清明上河図」は当時の都の繁栄の模様を描き、重要な歴史的価値のある風俗画である。唐代の李思訓、李昭道父子は鉱物を顔料として山水画を描き、金ぺき色に輝く美的効果があり、「金碧山水」と称されていた。王維は水墨山水画を提唱し、その絵は雄渾なタッチで雲や水の流動感をリアルに表現している。花鳥画も伝統的絵画の重要な一種であり、歴代から残されてきた多くの花鳥画は入神の域に達している。

 現代画家の専門化はもっと細かくなり、ある人は人物の中でも美人のみを描き、ある人は動物、ひいてはネコ、ロバ、ウマなど動物の中の一種しか描かない。そして一種類または一種を専門とするため、描けば描くほど上手になり、それで名を成したのである。

 中国の画壇は生気にあふれ、中国美術館などの芸術館は年中たえず個展または合同絵画展を催している。中国絵画展もしばしば国を出て日本、韓国、シンガポール、アメリカ、カナダとヨーロッパで催されている。中国画は西洋の油絵と異なる絵画芸術である。それは東方の芸術的美で外国の芸術鑑賞家と収蔵家を引きつけている。

 中国画を除いて、油絵、木版画、水彩画などの西洋絵画も中国で発展をとげた。また、少なからぬ画家は中国画と西洋絵画を融合させて創作を行い、画壇にさまざまな風格の芸術作品を出現させた。