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図書

 国の社会・経済の全面的な発展につれて、中国の図書出版事業は大きな進歩をとげた。とくに90年代に入って以来、社会主義市場経済体制が次第に確立されることにより、出版業にも活力が注ぎ込まれ、経済、科学技術、文化の発展に伴って大きな出版物市場が形成されている。マクロ管理システムがだんだんと確立されることにより、各分野はいっそう健全的かつ秩序のある方向へと発展しつつあり、出版業も極めてよい発展のチャンスに恵まれている。

 「第8次5カ年計画期国家図書出版重点計画」に組み入れられた1169種の図書がすでに出版され、好ましい社会的、経済的効果をあげ、図書出版業全体にとって模範的、指導的な役割を果たしている。「第9次5カ年計画期国家図書出版重点計画」が新聞出版署によって公布、実施されている。計画に組み入れられた図書は計1200種、そのうち社会科学類の図書は353種、科学技術類は299種、文学・芸術類は181種である。この計画は初めて一般読み物、科学普及読み物、少年児童読み物の3つのサブシステムを組み入れた。この計画に促されて、各省・直轄市・自治区と各出版社も図書出版重点計画を練り上げた。

 中国で出版された権威性のある大型辞書「辞海」1999年版は国慶50周年を迎えるに際して発行された。新しく改訂された「辞海」にはカラー図版入り豪華版、普及版、縮刷版の3種類がある。旧版と比べて、新版「辞海」はより正確な見出し語の説明、豊富なカラー図版、真新しい版面レイアウト、優れた印刷技術によって、形式、内容ともに全面的に改訂された。同辞書の編集と改訂は中国の知識人界と出版界にとって大きな出来事である。
 
【表16】書籍・雑誌・新聞発行の推移
 

出版点数
(点)
発行部数
(億冊)
出版点数
(点)
発行部数
(億冊)
紙数
(点)
発行部数
(億部)
1952 13,692 7.9 354 2.0 296 16.1
1978 14,987 37.7 930 7.6 186 127.8
1985 45,603 66.7 4,705 25.6 1,445 246.8
1990 80,224 56.4 5,751 17.9 1,444 211.3
1999 141,831 73.2 8,187 28.5 2,038 318.4

 

 ●録音・録画、電子出版業 全国には録音・録画出版社が205社、録音・録画テープに図書を組み合わせた図書出版社が93社、録音・録画テープ複製・加工企業が260社ある。中国の録音・録画出版業は世界の先進的な制作・複製設備と技術を擁しており、レコード、録音テープ、録画テープ、LD、DVDを含むさまざまな設備と多種類の録音・録画製品を生産することができる。1997年3月、新聞出版署は初めて「第9次5カ年計画期国家重点録音・録画製品出版計画」を制定、公布した。この計画に組み入れられた録音・録画製品は4種類17サブシステムに分けられ、全部で476種あり、そのうち社会科学類の録音・録画製品は63種で、総数の13%を占め、教育類は141種で、総数の30%を占め、科学技術類は116種で、総数の24%を占めている。近年、科学技術類と教育類の録音・録画製品は中国の録音・録画出版業の中で非常に重要な地位を占めている。1995年の第4回「科学技術類録音・録画優秀作品賞」コンクールで51の優秀作品が審議、選定された。これらの作品は近年、制作・出版された科学技術類ビデオの総体水準を反映するものであった。文芸類の録音・録画製品は思想的、芸術的水準がかなり向上した。新聞出版署などの推薦により出版された「みんなで歌おう――中華カラオケ歌集」は、国内外のすぐれた歌曲1000曲を収録し、カセット、ビデオ、LD、歌集の4種類で発行され、人びとの余暇生活を豊かにし、海外の録音・録画製品がカラオケ市場を独占する局面を逆転させた。

 社会の情報化が速く進むにつれ、中国の電子出版物市場が急速に形成され、90年代初めになって、中国の電子出版事業は一定の規模を持つようになった。現在、新聞出版署に認可された電子出版部門は36社あり、累計200余種の電子出版物が出版されている。影響力のあるCD−ROMとしては「中華百科全書」、「中国民間美術」、「中国歴代芸術」、「敦煌莫高窟」、「故宮」、「中国薬典」、「中国法律法規大全」、「中国の針灸」などがある。