成人教育
建国初期の非識字者が全国人口総数の80%以上を占めるというゆゆしい状況のもとで、中国政府は「識字教育を繰り広げ、非識字者を逐次減らす」というスローガンを打ち出し、中国の成人教育がスタートした。
中国の成人教育は主に次の通りである。@仕事・生産職場に入っている人たち、或いは転勤を必要とする人たち、および就職の機会を待つ者に対し、必要な教養知識、専門技術および実務能力の教育と訓練を行う。A非識字者に対し、文盲一掃の教育を行う。B正規の学校から離れた人たちに対し、その学問の基礎と必要に基づいて、継続教育を行う。C大学教育を受けた人たちに対し、知識の更新と拡充、能力向上の継続教育を行う。D豊富多彩な社会・文化生活面での教育を繰り広げ、全人民が文明的、健康的、科学的な生活様式を身につけるために奉仕する。
成人教育学校には次のようなものがある。@高等教育レベルの成人教育学校――放送テレビ大学、従業員高等学校、農民高等学校、管理幹部学院、教育学院、独自に設置された通信教育学院、大学が運営する成人教育(通信教育部、夜間大学、教師研修クラス)、衛星テレビ教育および大学教育独学検定試験など、A中等教育レベルの成人教育学校――成人中等専門学校、高校・中学校が運営する従業員幹部中等専門クラス、成人中学校、成人技術養成学校、農民文化技術学校、農業放送テレビ学校および中等専門教育独学検定試験など。そのほかに、さまざまな研修、トレーニング、補習の性格をもつ通信教育、マン・ツー・マン授業を行う学校がある。以上の学校が学ぶもののために提供している学習方式には、教室で集中的に講義する全日制の学習方式もあれば、テキストと録音・録画資料を提供して遠距離指導を行う独学の方式もあり、仕事から離れて学習し、仕事をしながら学習するものもあれば、余暇を利用する方式を取って学習するものもある。
学校運営規格には本科、専科、中等専門学校、高校・中学校を含む学歴教育があり、非識字者に対する文盲一掃、農村実用技術訓練、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、単科合格証書取得のための教育、専攻科目合格証書取得のための教育、大学以後の継続教育などを含む学歴取得とは関係のない教育もある。
近年、成人教育の学校運営部門の校舎、教学用具設備、教師陣などの面の条件にはかなりの充実と改善が見られ、学校運営の質と効果はたえず向上している。成人教育学校はすでに中国の重要な教育基地となっている。国の運営による学校以外に、現在、社会の力で運営された高等教育レベルの教育機構が1200校余りあり、そのうち21校は学歴証書発給の資格を持っている。また短期トレーニング、研修、補習、指導などのさまざまな学校が3万余校ある。
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