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医療制度の改革

 中国の現行の医療保障制度は、50年代初めに確立された公費医療と労働保険医療制度である。この制度に基づいて、従業員の病気や負傷についての治療に対しては、公費医療が実施されている。この制度は従業員の健康保障と経済発展の促進、社会安定の維持に対し、かつてプラスの役割を果たしてきた。だが、社会・経済の発展と経済体制改革のたえまない深化につれて、この制度の欠陥もますます顕在化してきた。医療費が国と企業によって負担されたため、医療費はあまりにも増加することになり、国の財政に大きな負担をもたらすとともに、必然的に医療・衛生資源も浪費されるようになった。しかし、農村では、少数の豊かな地域で無料医療が実施されているほか、その他の大部分の地域では医療費は自己負担になっている。社会全体からいえば、基本的医療衛生保障制度が完全に確立されておらず、カバー面が小さいため、社会医療衛生保障制度の改革を行う必要があった。
都市では、従業員の医療衛生保障制度の改革は、医療機構補償メカニズムの合理化にある。つまり、医療衛生保険制度の社会化と属地化をめざし、医療費は国、企業、個人がともに拠出し、合理的に負担することである。農村では、合作医療制度を発展させ、それをさらに充実させている。つまり、政府の組織と指導のもとで、民間の運営と政府の援助との結合、個人の自由意志による参加という原則を堅持することである。合作医療の資金は個人による拠出を主とし、集団の援助、政府の適当な助成を補完的なものとし、それによって、農民が基本的医療サービスを享受することを確保し、予防・保健の任務を全うし、病気のため農民の生活が貧困になるのを防止する。都市・農村の医療保険制度のカバー面の拡大と社会化程度の向上は、人民大衆が医療機構の提供するサービスを十分かつ適時に利用することに役立ち、しかも医療機構の着実な発展の要請にも合致している。