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疾病の予防・治療

 「予防を主とする」は中国の医療・衛生活動における重要な経験の一つである。各級の政府衛生部門はずっとこの方針を重視、貫徹し、人々の健康を損なう伝染病、風土病、寄生虫病などの病気を積極的に予防し、その治療に努めている。早くも60年代初め、中国は天然痘を撲滅し、世界の天然痘撲滅より十数年繰り上げて達成した。

 建国50年来、全国の各クラス行政区域でいずれも衛生防疫ステーションなどの予防保健機構を主とし、衛生監督・管理と疾病予防の機能をもつ機構が設立され、全国的衛生監督と防疫ネットワークが形成されて、衛生防疫と疾病予防活動において重要な役割を果たしている。1998年、全国には衛生防疫機構が4018カ所あり、そのうち県クラス衛生防疫ステーションは1696カ所、専門的衛生防疫と疾病予防所(ステーション)は1889カ所である。

 人々の健康をひどく脅かす伝染病、風土病の撲滅と抑制に力を入れるために、中国政府は「伝染病予防治療法」、「全国で1995年までにポリオを撲滅する行動計画」、「中国が2000年にヨード欠乏症疾病の撲滅を実現する計画要綱」などの法規文書を公布するとともに、免疫計画活動の展開に力を入れている。とくに児童に対する計画的免疫接種を成功裏に実施したため、はしか、ポリオ、ジフテリア、百日咳、日本脳炎などの罹患率は効果的に抑制され、発病率と死亡率は大幅に低下した。全国の何億という児童の健康は程度の差こそあれ保障されている。現在、病気予防・治療と愛国衛生活動がいちだんと展開されており、1949年と比べて、都市・農村住民の健康レベルは大幅に向上し、全国住民の平均寿命は35歳から70歳に延びた。死因はガン、脳卒中、心臓病を主とし、死因の構成はすでに先進諸国のそれに近似してきている。医学研究部門と医療機構は心臓脳血管疾患、腫瘍など慢性で非伝染的な病気に対する予防・治療活動を鋭意展開しており、国内外の伝染病の発生と伝染の動きを監視している。50年このかた、中国の病気予防・治療活動は著しい成果をあげ、国家衛生部疾病抑制司はかつてWHOの1996年度医療衛生分野特別成果賞を獲得した。